お疲れっす!文系受験数学のダイです!


樹形図を使う問題とそうでない問題を知りたい!

樹形図を書くコツを知りたい!
今日はこのような疑問に答えていきます。
本記事では、樹形図問題の区別方法から樹形図を簡単に書けるようになる3つのステップを解説しています!
目次
樹形図とは

樹木のように枝分かれした図のこと。物事の組み合わせやパターン数を視覚的に見やすくしたもの。
求める場合の数が何通りあるのかを、効率よく数えるための図です。
英語では、tree diagram(木の図)といいます。
各枝が分かれるように書くことから、樹形(tree)の図(diagram)で樹形図です。


場合の数・確率では、物事の起こりうるパターンを考えます。そして、そのパターン全てを数え上げます。
気の向くままに数えると、数え漏らしたり、数えないくていいものまでを数えてしまいます。
そのため、規則的に効率よく数えることが大切です。。

樹形図を正しく書けるようになれば大丈夫!
樹形図を使うべき時とそうでない時
樹形図は、いつなんどきでも書けばいいわけではありません。

いつ使うべきで、いつ使うべきでないかをここでしっかり確認しよう!
例えば、ある7人を一列に並べる並べ方。

7人を一列に並べる通りは、5040通りです。
これを樹形図を書いて求めていたら、時間はいくらあっても足りないはずです。

樹形図に頼りすぎないために、いつ樹形図を使えばいいのか区別しよう!
樹形図が有効な場合は主に3つです。
- 全体の数が少ない時
- イメージしにくい時
- 計算による解答ができない時

それぞれ具体例を使って解説していくよ!
全体の数が少ない時
樹形図を使う条件の1つは、全体の場合の数が少ない時です。
例えば、以下のような例です。
- 2つのサイコロを投げる
- 3人のリレーの走者の並び方
- 4つの文字ABBCの文字の並び方
これらは、全体の数が2~4と少ないですよね。

基本的に、80~100以上の通りが予想される場合は樹形図は使わないでおこう!

実際の試験で、5040通りの樹形図を書いている時間ないですよね。
イメージしにくい時
決まったパターンがイメージできない時は、樹形図が役に立ちます。
例えば、
- 3つのサイコロの和が15の場合の数
- コインを3回投げて2回表になる通り


頭の中で、3つのサイコロの和を正確に数えるのは難しいですよね。
また3回のコイントスでは、(表、表、裏), (裏、表、裏)などいくつかパターンがあります。
こんな場合は考えずに、すぐに樹形図で視覚化しましょう。
公式などによる計算ができない時

大抵の入試問題では、場合の数を普通に数えられない場合がほとんどです。
扱う数字が大きい場合が多く、公式やテクニックを使って解く必要があるのです。
例えば、
- 一列に並べる場合は順列
- 順番を考慮しない場合は組み合わせ
- 物事が同時に起きると時は積の法則
などその問題にあった公式を使って効率よく計算します。
このような公式が使えない時は、樹形図の出番です。
参考までに、樹形図を書くことが多い問題を挙げておきます。
- リレーの走者を決める問題
- 2つ以上のサイコロの総和を求める問題
- コインを2~3回にわたって投げる問題
*これらの問題だからといって必ず樹形図を書くわけではありません。

まずは、公式が使えるかどうかを確認。使えなくて全体の場合の数も少ないなら樹形図だね!
樹形図の書き方
樹形図は、以下の3つのステップで書くことで効率よく正確に書けます。
- 名前を決めて、左から順番よく並べる
- 最初に予想される結果を縦に並べる
- 最初の結果を元にそれ以降の結果も書く

例題を通して、樹形図の書き方を身につけよう!

コインを3回投げる時、2回裏が出る通りはいくつあるか。
Step1: 名前を決めて左から順番に書く
最初に名前をつけていきます。この「名前」は問題によって変わります。
例えば、樹形図を書く問題の例で言うと
- リレーの走者を決める問題
- 2つ以上のサイコロの総和を求める問題
- コインを2~3回にわたって投げる問題
✔︎名前の付け方
- リレー問題: 第一走者、第二走者、第三走者
- サイコロ: 大中小やABCなどのアルファベット
- コイントス: 1回目、2回目、3回目etc..
今回はコインを3回投げる問題なので、
1回目、2回目、3回目とします。

Step2: 最初に予想される結果を縦に並べる
名前を決めた後に、最初に予想される結果を決めます。
コインを投げると、表か裏の2通りの結果が予測できますね。
ここでは、書く時間を省略するために
- 表(おもて)= お
- 裏(うら)= う
と略して書きましょう!
この2つの結果を、1回目のところに縦に並べます。

Step3: 最初の結果を元にそれ以降の結果も書く
次に、2回目と3回目の結果も書いていきます。
コイントスでは、表か裏の2通りの結果しかないので2回目も同じく表・裏を書きます。

結果を書いた後は、1回目の結果から2回目の結果それぞれに線を引きます。

これは、仮に1回目にコインで表が出た時、2回目は表もしくは裏の2通りあるということです。
3回目の結果も同じように表か裏の2通りです。2回目のそれぞれの結果(表と裏)から線を引いて、表と裏の2通りを書きます。

同じプロセスを1回目の裏(う)にもやれば樹形図は完成です。

最後に、問われている裏が2回出る通りの数を調べます。
裏が2回出ている部分に丸をつけます。

全部で8通り中、裏が2回出ているのは3通りです。

3つのステップでやれば、樹形図書けるかも!
サイコロの問題を樹形図で解いてみた
大中小3つのサイコロを同時に投げる時、サイコロの出目の総和が5になる通りはいくつあるか。
Step1: 名前を決めて左から順番に書く
今回の問題では、3つのサイコロにすでに大中小の名前があります。そのため、そのままこれらの名前を使いましょう。
大→中→小と左から順番よく書きましょう。
順番よく規律性を守ることで、数え間違いを防げます。

Step2: 最初に予想される結果を縦に並べる
最初に予想される結果は、1番左の大サイコロの出目です。
サイコロは1~6の目があるので、順番よく1から縦に書いていきます。


あれ?1~3までの目しか書かれてないですよ!

大で4以上の目が出ると、中でどの目が出ても大中小の総和が5を超えてしまうんだ。だから、考えるの出目は1~3まで!
大で4以上の目が出ると、大中小の総和が5を超えてしまいます。
大 = 4, 中 = 1, 小 = 1だとしても、
大中小の和 = 4+1+1 = 6だよね。
求めるのは、3つの総和が5の時なので、それ以外は樹形図に書かなくても大丈夫です!
Step3: 最初の結果を基にそれ以降の結果も書く
最初の結果それぞれに注目して、中と小の結果も書いていきましょう。
大のサイコロで1が出た時、中のサイコロでは3以下の目まで出ることができます。

これは、求める場合の数が大中小の出目の総和が5だからです。
もし、大と小の総和が5以上になると、その条件を満たすことができません。
そのため、中では1~3までの出目を書いて、大の結果から線で結びます。

これは、大の目が2と3の場合も同じです。
大が2と3の場合も、大中小を足して5になるように樹形図を書きます。
逆に言えば、大と中を足して4以下になればオッケーです。

中の結果まで書き終えたら、大中小を足して5になるように少の結果を書きます。

これで樹形図は完成です!
あとは、それぞれの枝の数を数えます。
3つのサイコロの総和が5の場合の数は、6通りです。
(解答終了)
2つ以上のサイコロの出目の総和は、与えられた条件に合うように樹形図を調整して書く!

3つのサイコロで総和が10の場合でも、1個目で6が出て、2個目で4が出ると、その時点で総和が10になるから条件を満たせないよね。
最後に: 樹形図のまとめ
いかがだったでしょうか?
本記事では、樹形図の基礎から書き方のコツまで解説しました。
樹形図のまとめは以下の通りです。
- 樹形図: 場合の数を効率よく数え上げるための図
- 全体の場合の数が小さく、他の公式が使えない時は樹形図!
- 問題がイメージしにくい時も樹形図を書こう!
- 樹形図は3つのステップで簡単に書ける!
樹形図を使わない場合の数は、こちらのまとめ記事で解説している公式やテクニックで解くことができます。1記事に、場合の数の全ての公式をまとめています。参考までに!
樹形図ってなんなん?