どうも、受験数学のダイです!


確率の公式多すぎ… 足し算とかかけ算の区別もよく分からん!
今回は、受験において知ってないとやばい確率の必須項目全てを1記事にまとめました。
この記事を読むことで、確率の項目にも足し算をする確率やかけ算をする確率のようにそれぞれのつながりやパターンが見えてきます!
目次
確率とは?

確率は、ある特定の物事の起こりやすさを分数で表したものです。
例えば、「明日雨が降る可能性が30%」
確率では、全体100%のうち雨が降るが30%なので
雨が降る確率= $\frac{30}{100}$ = $\frac{3}{10}$
このように確率では、あるものが全体のどれくらいを占めているのかを分数で考えます。
確率=$\frac{ある特定の物事}{全体の数}$
- 分母=全体の数(基準)
- 分子=ある特定の物事のパターン数

サイコロを投げて、「3の目が出る確率」
まず全体を考えると1~6の6面あるので6通り
そして、3の目は全体の内1通りしかないので
3の目の確率=$\frac{3の目のパターン}{全体の数}$=$\frac{1}{6}$
確率は、英訳のProbabilityの頭文字$P$を使って
$P$ = $\frac{1}{6}$のように表します!
確率の基本性質
確率は必ず0以上1以下になる
確率を考えるとき、その起こりやすさは必ず
$0\leqq$P$\leqq1$で表します。
起こることがない場合は、確率=0(%)
絶対に起こる場合は、確率=1です。

確率=1は、100%を意味する百分率が簡単に略された形だね。
例: 0.1 = 10%, 0.55 = 55%
確率=0は、そのイベントが起こらないを意味し
空事象の記号$\phi$(ファイ)を使って表すこともあります。
例えば、サイコロを投げて「12の目が出る」確率は0。サイコロに12の目なんてないよね。
「12の目が出る」= 確率 0 = $\phi$
この空事象$\phi$(ファイ)は
「存在しない」=確率0を意味します。
同様に確からしい
確率を考える上で重要な考え方の1つがこの同様に確からしいです。
言ってしまえば、同じものでも区別するという意味です。

上のような袋から1つ玉を取り出す時、赤玉を取り出す確率を考えてみましょう

「同様に確からしい」を理解していない人は、この袋には白と赤の2種類しかない。だから、赤玉を取り出す確率=$\frac{1}{2}$と答えます。
しかし、確率では同じ種類のものでも1つ1つ区別します。

番号やアルファベットを振って区別します。
すると、同じ白玉、赤玉でも白玉4個、赤玉5個と個数に違いがあり、1個個数の多い赤玉の方が取る確率が高いことが分かります!
赤玉を取る確率=$\frac{赤玉の数}{全体の数(4+5)}$=$\frac{5}{9}$
このように、赤白の2種類だから$P$=$\frac{1}{2}$ではなく
同じものでも1つ1つ区別して数えることを同様に確からしいというのです。
条件付き確率
通常の確率に加えて、数学にはさらに特別な条件付き確率があります。
普通の確率との違って、条件付き確率は確率に影響する状況や条件まで考慮します。
一般的な確率では「W杯で日本のサッカーが優勝する確率」のように、それが起こりうる可能性を数値化して考えます。
しかし、条件付き確率では確率に影響をあたえるかもしれない条件・状況を以下のように加えて、さらに正確に確率計算をします。
「W杯でスペインが参加しなかった時の日本のサッカーが優勝する確率」
「W杯が自国開催だった時の日本のサッカーが優勝する確率」
このように、通常の確率に条件や状況を加えて考えるのが条件付き確率です。
条件付き確率の記号
条件付き確率の記号は、${}P_A$($B$)です。
「事象Aが起こったという条件の下で、事象Bが起こること」を意味します。
ある試行(実験やゲーム)をしたときの起こりうる結果。
- 試行=サイコロを1回投げる(実験)
- 事象=1の目が出る(実験の結果)
さらに詳しく確率用語を学びたい方はこちらから!
条件付き確率では、事象Aが条件、事象Bが問題文で求める確率です。
先ほどのW杯の例をいうと
- 事象A (条件) = W杯が自国開催だった時
- 事象B (求める確率) = サッカーが優勝する確率
条件付き確率では、問題文に「〜なとき」や「〜の条件付き確率を求めよ」と文章で書いてあることがほとんどです。
「〜とき」や「〜の条件付き確率」をみたら条件付き確率の問題です。
さらに詳しい公式や計算方法を知りたい方はこちらをお読みください!
確率計算のテクニック:余事象
確率計算では、よく1つの式でまとめて確率を計算できずにいくつかにパターンを分けて計算しないといけない時があります。
そんな時にこれから紹介する余事象を使うと確率計算を簡単にすることができるんです!
余事象とは?

簡潔にいうと、ある事象(実験の結果)が起こらなかった時の事象です
例えば、サイコロを投げて「偶数の目が出る」という事象。
サイコロを投げて偶数が出なかったら何が出る?

奇数ですか?
そうなんです!
サイコロで、偶数{2, 4, 6}が出なかったら
考えられるのは残りの奇数{1, 3, 5}だよね!
このようにある事象が起こらなかった時の別事象が余事象だね!
ある事象の反対の事象を考えるイメージだね!
偶数が出るを事象Aとすると、
その余事象は、「奇数が出る」になります。
$\bar{A}$ = 「奇数が出る」のように余事象を記号で表すこともできます。
この記号は、バーと言って(-)を文字の上につけて事象Aが起きなかったときの別の事象$\bar{A}$を意味します。$\bar{A}$は、エーバーと呼びます。

余事象は、場合分けの確率でとんでもない威力を発揮します。
もっと詳しくみていこう!
「少なくとも」は余事象を使え!

コインを2回投げるとき、少なくとも1回表が出る確率を求めよ
今回のコイントスでは以下の3パターンが全体の結果です。
(表、裏)、(表、表)、(裏、裏)
そのうち「少なくとも1回表が出る」は以下の2つ。
(表、裏)、(表、表)
正面突破をするとこれら2つの確率を計算しなくてはいけません。
ここで余事象の登場です!
「少なくとも1回表が出る」の余事象は
その反対の「1回も表が出ない」
つまり「全て裏が出る」です!
「少なくとも1回表」の2つの確率の代わりに、余事象を全体の結果から引きます!
全体の確率=少なくとも1回表+全て裏(余事象)
この式から余事象を移行すると
少なくとも1回表=全体の確率 ー 余事象
全体の結果(確率)は、1(100%)です。
つまり、余事象「全て裏が出る」を求めてこれを全体確率1から引くと求める確率「少なくとも1回表」が出ます!
コインを投げる試行において、
全ての通りは「表」と「裏」の2通り。
そのうち、裏が出る通りは1通りなので
確率 = $\frac{裏}{全体}$ = $\frac{1}{2}$
2回投げて、2回とも裏なので$\left(\frac{1}{2}\right)^{2}$ = $\frac{1}{4}$
そしてこれを全体確率から引くので、
=1ー$\frac{1}{4}$=$\frac{3}{4}$
余事象は、確率計算で場合分けが発生した時に計算を複数やるのがめんどーなときに有効です。
求める確率を正面突破するのではなく、その反対の余事象を考え全体確率1から引くだけ!
全体確率1は、100%を意味する百分率の略です。
起こりうる全ての試行(実験)の事象(結果)を足すと必ず1になります。
例えば、サイコロのそれぞれの目(1~6)が出る確率は$\frac{1}{6}$
それを全て足すと、
$\frac{1}{6}$+$\frac{1}{6}$+$\frac{1}{6}$+$\frac{1}{6}$+$\frac{1}{6}$+$\frac{1}{6}$
=$\frac{6}{6}$=1(100%)
余事象まとめ記事はこちらまで!
確率の分類 その①:足し算をするパターン

確率の難しさの1つに計算方法の区別があります。
あるときはかけ算で、ある時は足し算で、またある時はその両方を使う。
多くの受験生はこれをなんとなくやるのでいつまで経っても確率の点数が安定しません。
確率を勉強する際には、
- 足し算をして確率を求めるパターン
- かけ算をして確率を求めるパターン
このように分けて勉強することで
「あれいつかけ算?足し算?」のように
困ることなく解けるようになります。
ここでは、まず足し算をして求めるパターンを紹介します。
和事象

ある2つの事象A, Bが同時に起きない時、それらの事象A, Bを和事象と言います。
2つの事象が同時に起きないというのは、事象AまたはBのどちらか一方が起こるという意味です。
例えば、1個のサイコロを1回投げるとき
- 事象A: 1の目が出る
- 事象B: 5の目が出る
これらの事象(サイコロの結果)は同時に起きるでしょうか?
つまり、サイコロを1回投げて、1の目と5の目が両方同時に出るか。
1個のサイコロでは、2つの違う目が同時には出ないですよね。
サイコロは、それぞれの面に1つずつしか数字が書かれてないので。

このように、2つの事象が同時に起きない場合は、和事象の公式(足し算)を使って確率を求めます。
P(A∪B) = P(A) + P(B)
- P(A∪B) = 事象AまたはBのどちらか一方がおこる確率
- P(A) = 事象Aの起こる確率
- P(B) = 事象Bの起こる確率
同時に起きない事象は、場合分けをして最後に足し算をします。
- パターン1: 1の目が出る
サイコロは全体で1~6の出目の6通り。
その中で、1の目が出るのは1通りなので
確率=$\frac{1}{6}$
- パターン2: 5の目が出る
全体は6通りで、5の目が出る場合も同じく1通り。
よって、確率=$\frac{1}{6}$
これら2つのパターンは同時に起きない事象なので和事象公式で
P(A∪B) = P(A) + P(B)
1の目または5の目が出る確率は、
=1の目が出る確率+5の目が出る確率
=$\frac{1}{6}$ + $\frac{1}{6}$ = $\frac{1}{3}$

2つの事象が同時に起きない=どちらか一方が起きる場合を和事象と言って、2つを場合分けして後で足し算することで確率を求めるんだ!
さらに詳しい和事象公式の使い方やテクニックはこちらをお読みください。
排反事象
排反事象も和事象と同じく、事象A, Bが同時に起こらない場合のことです。
なので、排反事象も確率は足し算をします。

じゃあ、和事象も排反事象も同じってことですか?

「2つの事象が同時に起きない」っていう考え方は同じ!でも、排反事象は2つの事象を見て「同時に起こるか、起こらないか」の判断の部分。和事象は、どう確率を計算したらいいかの計算テクニックの部分。
例えば、1個のサイコロを1回投げて
- 事象A = 偶数の目が出る {2, 4, 6}
- 事象B = 奇数の目が出る {1, 3, 5}
これらの事象はどちらか一方は起きるけど同時に起きることはありません。
この場合、事象AとBは同時に起きないので、これらは排反(事象)と言えるんだ!
そして、事象のどちらか一方しか起きないから
和事象の公式を使える!ここで和事象の登場!
排反事象=2つの事象の関係性を判断する
和事象=2つの事象が排反と判断されたら公式を使って確率計算
考え方は同じだけど、担当している部分が違う!
排反かどうかの判断
ある2つの事象が排反かどうかの確認はベン図を書くことをおすすめします!
ある2つの事象の関係を視覚的に表した図のこと。この図を見ることで事象が排反であるか・ないかの判断が簡単にできます。
例えば、さっきの偶数と奇数の例でいうと


ここでのポイントは、2つの事象の円に重複があるかどうか!
重複なし=排反
重複あり=排反ではない
今回の場合は、事象A, Bの円に重複ない
よって、これらの事象は排反と言えます。
では、逆にこれはどうでしょうか?


両方の円に被りがあります!
そう!両方の事象に「4の目が出る」という共通項があるので被り・重複している部分があるんです!
サイコロを1回投げた時に
- 事象A: 偶数の目が出る{2, 4, 6}
- 事象B: 4の目が出る {4}
このように両方の事象の中身を見ても{4}が共通項ですよね!
だから「偶数の目が出る」「4の目が出る」は排反ではないと言えます。

このように事象が排反かどうかを判断して、排反(同時に起きない)なら和事象の足し算公式で確率を求めよう!
確率の分類 その②:かけ算をするパターン

ここまでは足し算の確率を見てきました。さらにかけ算の確率も理解することで確率計算を完全マスターすることができます。
足し算の場合は、2つの事象が同時に起きない=どちらか一方が起きるの1パターンでした。
かけ算する確率は以下の2パターンです。
- ある2つの事象が同時に起こる
- ある事象Aの後に、事象Bが続けて起きる
かけ算の確率では、この「同時」と「連続」の2つのイメージが鍵となります。
具体的に見ていきましょう!
2つの事象が同時に起こる
ある2つの事象が同時に起きるとき、確率はかけ算で求めます。
この時、ある2つの事象が同時に起きるという考え方を積事象といい
積事象のかけ算公式を使って確率を求めます!
P(A∩B) = P(A) × P(B)
- P(A∩B) = 事象A, Bが両方同時に起きる
- P(A) = 事象Aの確率
- P(B) = 事象Bの確率
2つの事象が同時に起こるなら、
その確率を掛けろ!
2つの事象が同時に起こらないなら、
その確率を足せ!
では、「同時に起こる」とはどういうことでしょう?

大小2つのサイコロを同時に投げるとき、大が1の目で小が5の目の確率を求めよ。
和事象の問題では、事象は「1の目」と「5の目」で同じでしたが、1つのサイコロを1回しか投げないので、これら2つの目は同時に起きなかった。だから、和事象の足し算でした!
しかし、今回の場合は2つのサイコロを同時に投げるので「1の目」も「5の目」も両方同時に起きることができます!
同時に起こるなら、かけろ!
それぞれの事象の確率は以下の通りです。
- 事象A = 1の目が出る=$\frac{1}{6}$
- 事象B = 5の目が出る=$\frac{1}{6}$
そして、それぞれの確率をかけ算します。
P(A∩B) = P(A) × P(B)
1の目かつ5の目が出る確率=1の目の確率×5の目の確率
= $\frac{1}{6}$ ×$\frac{1}{6}$ = $\frac{1}{36}$
よって求める確率は$\frac{1}{36}$です!
積事象の入試問題やもっと詳しい具体例はこちらを!
ある事象Aの後に、連続して事象Bが起こる
2つの事象が同時に起こる=かけ算でしたが、ある事象が連続して起こる場合もかけ算を使って確率を求めます。
この連続して起こる確率には、2つのパターンがあり、これらの確率は全てかけ算で求めることができます!
独立試行の確率
2つの事象が連続して起こる確率のうち、
2つの試行(実験やゲーム)が互いに影響を与えないものを独立と言います。
例えば、「1個のサイコロを投げて、続けてコインを投げる」という試行。


サイコロの結果がどうであれ、コインの結果には一切影響しないですよね。
サイコロで1の目が出たから、コインで表が出やすくなる!なんていう怪奇現象は起きないですよね。
このようにある2つの試行が関係なく、互いに影響を与えないことを独立または独立試行といいます。

当たりくじが1本ある合計5本くじ引きで、たけしが最初にクジを引いて元に戻す。そして、まゆみが続けてクジを引く時、たけしが当たって、まゆみも当たる確率。
今回の問題が独立試行の典型的な問題です。
このくじ引きには当たりくじは一本しかありません。しかし、たけしがクジを引いたあと元に戻すので、たけしのくじ引きの結果に関わらずまゆみも当たりくじを引くことができます。
「たけしが引く」も「まゆみが引く」も互いに影響しない独立です。
そして、これは連続するパターンの確率です。
たけしがクジを引いて、続けてまゆみも引く
だから、かけ算で解くことができます!
全部で5本のくじでのなかに、当たりくじは1本しかないから
当たりを引く確率=$\frac{1}{5}$

たけしもまゆみを同じ確率で当たりを引けるよね!だって、たけしが引いた後で引いたくじを元に戻すから!たけしの時も、まゆみの時もくじの枚数に影響はないよね!
2人が当たりを引く確率=$\frac{1}{5}$×$\frac{1}{5}$=$\frac{1}{25}$
今回の問題では、たけしが引いたくじを元に戻すので独立でした。
しかし、たけしが引いたくじを元に戻さない場合はどうでしょう?
その場合、たけしが当たりくじを引いた場合当たりくじが1本しかないので
まゆみが当たりくじを引く可能性は0です。
たけしが当たりを引くかどうかで、まゆみの当たりくじを引く確率に影響を与えるので、この場合は独立ではありません。
反復試行の確率

連続して起こる確率にもう1つ反復試行があります。一言で言うと、同じ独立な試行を何度も繰り返し行うことです。
例えば、
「サイコロを5回連続で投げる」
「コインを3回投げる」
サイコロを5回投げて、1回目に偶数が出たから2回目は奇数出やすくなる!とかないですよね。
サイコロを投げる試行は、独立していてそれぞれの確率に影響を及ぼしません。
独立な試行の回数を増やしたもの
これが反復試行なんです!
反復試行も連続で起きるので、かけ算で確率を求めます。
しかし、同じ試行を複数回行うので、少し注意が必要になってきます。
- ターゲットの事象が起こるパターンを考える
- ターゲットの事象とそれ以外の事象の確率を考える
- 試行回数を考えてかける
例えば、「サイコロを3回投げて、5の目がちょうど2回出る確率」という試行。この場合、5の目の出方は以下の3通りです。

次は、問題文でのターゲットの事象をそれ以外の確率です。
サイコロで5の目が出る確率は$\frac{5の目}{全体}$ = $\frac{1}{6}$です。
これでは終わりではありません。3回のうち5の目が出るのは2回だけです。
つまり、5の目がちょうど2回出るためには残りの1回は5の目以外が出るので
5の目以外が出る確率=$\frac{5の目以外}{全体}$=$\frac{5}{6}$です。
あとは、連続するパターンの確率なので全てをかけ算しますが、反復試行では試行回数を考えなければいけません。
5の目がちょうど2回でる確率は、1回あたりの5の目の確率$\frac{1}{6}$を2回かけるので$\left(\frac{1}{6}\right)^{2}$
あとは、求めたものを全てかけます。
よって、5の目がちょうど2回出る確率は
= 5の目パターン×2回出る確率×5の目以外の確率
= 3×$\left(\frac{1}{6}\right)^{2}$ × $\frac{5}{6}$
= $\frac{5}{72}$です!
詳しい反復試行の公式や問題はこちらから!
まとめ:足し算とかけ算の確率
ここまで見てきたように受験数学において
問われる確率は基本的この3パターンです。
- 事象が同時に起こらない
- 事象が同時に起こる
- ある事象が起こった後に、別の事象が連続して起こる
それらのうち、
事象が同時に起こらない = 足し算
残りはかけ算で確率を求められます
多くの受験生は1つ1つの確率をまるで繋がりがないように別々で勉強するのでいつまで経っても確率計算の区別ができるようになりません。
足し算の確率、かけ算の確率のように分類をして勉強しましょう!
確率計算の応用:期待値とは

期待値は、あるゲームや実験をする際に
事前にどれだけの見返りが期待できるかを予測
期待値を使うことでくじ引きや賭け事、サイコロなど何回か行った時のだいたいの結果(見返り)が予測できます。

1枚300円の宝くじで、その期待値は330円とします。
この場合、期待値は宝くじの値段より30円高いので、この宝くじ1枚あたり+30円の見返りが期待できます。つまり、得をします。
この宝くじが400円の場合は、期待値は70円低いので、一回クジを引くごとに-70円損をする可能性があります。
サイコロでも、期待値を用いて、一回あたりどれだけの出目が期待できるかを予測できます。

サイコロの出た目の数の分だけ進むことのできるボードゲームをしています。
そこで、サイコロの期待値が3.5だとすれば
サイコロ1回投げるごとに、だいたいで3.5マス進める可能性があると分かります。

このように期待値は、確率計算を使って事前に見返りの予測ができるんだ!
期待値の公式
期待値の求め方は以下の通りです。
$E[X]$ = ${}x_1$${}p_1$ + ${}x_2$${}p_2$ + ・・・+ ${}x_n$${}p_n$
- $E$ = 英語のExpected value (期待値)の頭文字を取ったもの。
- $x$ = 確率変数(ある実験やゲームの結果)
- $p$ = Probability(確率)の頭文字を取ったもの

これだけ見ても意味がよく分かりません….
期待値の求め方はズバリ!
ある実験やゲームの結果にそれぞれの確率をかけたものなんだ!
例えば、「サイコロを投げたときの期待値」
まず、確率変数(ゲームなどの起こりうる結果)を求めていこう!
サイコロのは投げると、1~6の6通りの出目のパターンが考えられるよね。

そして、それぞれの出目は1通りずつしかないから
確率=$\frac{それぞれの出目}{全体}$=$\frac{1}{6}$
見やすいようにこれを表にしてみよう!

期待値は、サイコロを投げた結果(1の目, 2の目…)にそれぞれの確率を掛ければいいので
=1×$\frac{1}{6}$+2×$\frac{1}{6}$+3×$\frac{1}{6}$+4×$\frac{1}{6}$+5×$\frac{1}{6}$+6×$\frac{1}{6}$
= $\frac{21}{6}$= 3.5

さっきサイコロの例の時に、サイコロの期待値は3.5と言ったよね。
これはこの期待値の公式で簡単に求められるんだ!
さらに詳しい期待値の計算方法や受験テクニックはこちらまで!
最後に:総まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、確率の受験必須項目を全て徹底的に解説してきました。
それぞれの個別記事も読んで確率をマスターしてください。
- 確率: ある特定の物事の起こりやすさを分数で表したもの
- 同様に確からしい: 同じものでも1つ1つ区別する
- 条件付き確率:確率に影響しうる条件などを考慮したもの
- 空事象$\phi$: 存在しない確率0のもの
- 余事象: 確率全体1 – 余事象 = 求める確率
- 足し算の確率: 和事象、排反事象
- かけ算の確率: 独立試行、反復試行
- 期待値: 事前のどれだけの見返りがあるかの予測
確率って、排反、独立、反復、条件付きとか種類が多すぎて覚えられない!