おつかれっす!受験数学ラボのダイです!


公式が全く覚えられない!
今日はこのような疑問にお答えしていきます!
期待値の公式って直感的になかなか理解しづらいですよね。
本記事では、公式の意味をいちから解説し、暗記のコツまで徹底解説します!
目次
期待値とは?
一言で言うと
期待値とは、ズバリ…..
事前にどれだけの見返りが期待できるのか予測です!

期待値を計算することで、くじ引きや賭け事などをするときに事前にどれだけの見返りが期待できるのか数値として分かるんです!
必ずその期待値分が見返りとして入ってくるわけではないですが何度もくじ引きをした時に、大体もらえる金額を期待値で求めることができるんです!
例えば、
「1枚300円のこの宝くじって、実際儲かるの?損するの?」
「このギャンブルをしたときに、かけた金額に対してどれだけの見返りがあるの?」
「ボードゲームをする時に、1回のサイコロでおおよそどれくらいのマスが進めるの?」
期待値を使うことで、このような疑問が解決できるんです!
さらに具体的に見ていきましょう。

1等3億円などが当たる宝くじがあります。
宝くじ1枚当たりの値段は300円で、その期待値が170円だとします。
この場合、期待値は宝くじ1枚当たりの値段よりも低いので-130円の損をすると考えることができます。
逆に、この宝くじの値段が1枚130円だとすると、期待値が宝くじの値段よりも高いです。
なので、平均的に一枚あたり+40円程度得をする可能性があるのです。

期待値を使えば、そのくじ引きでの大体の見返りが数値化できて、やる価値があるのかを判断できるんだ!
期待値の公式
公式と確率変数
ある試行において、確率変数$X$のとりうる値を${}x_1$, ${}x_2$, ・・・, ${}x_n$、$X$がその値をとる確率をそれぞれ${}p_1$, ${}p_2$・・・, ${}p_n$とすると、この確率変数の期待値$E[X]$は
$E[X]$ = ${}x_1$${}p_1$ + ${}x_2$${}p_2$ + ・・・+ ${}x_n$${}p_n$
$E$ = 英語のExpected value (期待値)の頭文字を取ったもの。
この公式の意味としては、
期待値=あるゲームなどの結果($x$)とその確率($p$)をかけて足すということです。
確率変数$[X]$=ある実験やゲームをしたときに起こりうる全ての結果のことです。
例えば、1個のサイコロを1回投げます。
1~6の出目の6通りのパターンが考えられます。
つまり、「1の目」「2の目」…「6の目」
それぞれの目のパターンが確率変数なんです。
そして「1の目が出る」確率は
全体6通りのうち1通りなので$\frac{1}{6}$
これを数学的に表すと、
$P (X=1)$ = $\frac{1}{6}$
つまり、Xが1の時(1の目が出た時)
確率は$\frac{1}{6}$ということです。
期待値の計算では、この確率変数とその確率をそれぞれかけて足すだけでいいんです!
1(の目)× $\frac{1}{6}$ + ・・・
のような感じで!

ここではまだ期待値の求め方は完全に理解しなくても大丈夫!
次に具体例を交えて解説していくよ!
- 確率変数=あるゲーム・実験の結果(例:サイコロの1~6の目)
- 公式の意味=確率変数とその確率をそれぞれかけて足す
期待値は確率分布表を書いて求めよ!
確率変数に加えてもう1つ期待値を求める上で理解するべき用語があります。
それが、確率分布表です。
意味は至ってシンプルで、確率変数とその確率をまとめた表のことです。
例えば、以下のようなものです。

確率変数を上に書いて、その下にそれぞれの確率変数に対応する確率を書きます。
このように表を使えば、確率変数と確率が一目瞭然なので期待値の計算がしやすくなります!
期待値は確率変数($x$)とその確率($p$)をかけて足すので、
=1 × $\frac{4}{10}$ + 2× $\frac{3}{10}$ + 3× $\frac{2}{10}$ + 4× $\frac{1}{10}$
= 2
つまり、期待値 = 2 となります!
期待値問題では、このように必ず確率分布表を書くことをおすすめします。
分布表を書いて、あとは表の縦の部分をかけて横の部分を足す
ズバリ!期待値の求め方はこれです!
表の縦をかけて横を足せ!

このように覚えれば、公式を忘れても期待値を求められます!
- 確率変数と確率を表にする
- 上をかけて、横を足す!
サイコロを使った期待値問題
サイコロを1回投げて、その出た目の数字だけ進めるゲームをする。この時、サイコロ1回あたりで進める数(マス)の期待値を求めよ

期待値の問題では、「〜の期待値を求めよ」と明確に書かれているのですぐに期待値問題だと見分けがつきます!

それでは、期待値を求めるのに必要な確率変数とその確率を求めていきましょう!
その後は、表を書いて、縦をかけて横を足すだけです!
ステップ1:確率変数とその確率を求める
まず確率変数を求めていきます。
確率変数$[X]$=ゲームをしたときに起こりうる全ての結果
サイコロは全面6面の6通りなので、全部で6パターン考えられます。
それぞれ1~6の目は、1通りずつなので
確率=$\frac{それぞれの出目}{全体}$ = $\frac{1}{6}$
ステップ2:表を書いて、縦をかけて横を足せ
求めた確率変数と確率を確率分布表にします!
上の部分が確率変数で、その下が確率です。

後は、縦(確率変数と確率)をかけて、横(それぞれかけたもの)を足すだけなので
=1×$\frac{1}{6}$+ 2×$\frac{1}{6}$+ 3×$\frac{1}{6}$+ 4×$\frac{1}{6}$+ 5×$\frac{1}{6}$+ 6×$\frac{1}{6}$
= $\frac{21}{6}$ = 3.5
表を書いて、縦をかけて、横を足す
この流れで期待値は攻略していきましょう!
入試問題にチャレンジ
それでは期待値の入試定番問題の1つくじ引き問題にチャレンジしてみましょう!
この問題も同じく
表を書いて、縦をかけて横をたすです!
Let’s get started!
以下のように賞金と本数が決められているくじ引きをするとき、このくじを1本引いた時の得られる賞金の期待値を求めよ。また、このくじ引きが一回あたり参加料が300円とした時、このくじ引きをすることは得なのか損なのか求めよ。
- 賞金:1500円(5本)
- 賞金:800円(10本)
- 賞金:500円(15本)
- 賞金:100円(70本)
ステップ1:確率変数とその確率を求める
今回の場合、1本くじを引くと4パターンの賞金の中から1つがもらえます
この賞金が今回のくじ引きの結果なので
賞金のパターン=確率変数となります!

次に賞金クジを引く確率です!
くじの全体本数=70 + 15 + 10 + 5 = 100本
クジを引く確率=$\frac{そのクジの本数}{全体}$なので、

ステップ2:表の縦をかけて横を足せ
確率変数とその確率で、縦(確率変数と確率)をかけて横を足します。
=100 ×$\frac{70}{100}$ + 500×$\frac{15}{100}$ + 800×$\frac{10}{100}$ + 1000 × $\frac{5}{100}$
= $\frac{25000}{100}$ = 250
よって、くじ引きの期待値は250円なります。
今回のくじ引きの参加料が300円で、期待値に比べて50円高いので
平均するとこのくじ引きをすると1回あたり-50円となって損をする可能性があります。
このくじ引きが1回200円だったなら、期待値に比べて50円低くなります。
くじ引き1回あたりで+50円の得をするかもしれません。
最後に:期待値のまとめ
いかがでしたか?
以下が本日のまとめになります。
- 期待値=賭け事をした時に得or損するのかを予測するもの
- 確率変数=あるゲームをした時に起こりうるパターン
- 確率分布表=確率変数とその確率をまとめた表
- 期待値の公式=表を書いて、縦にかけて横に足せ
この記事を読んだあなたはなぜ宝くじを買うと基本的に損をするのか分かったと思います。
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期待値ってなんなん!?