お疲れっす!文系受験数学のダイです!


条件のある並べ方を簡単に解けるコツを知りたい!

大学入試で出る条件のある順列のパターンを知りたい!
今日はこのような疑問にお答えしていきます!
条件のある順列って難しいですよね。
順列$P$が公式通りに使えないので、問題によって工夫が必要です。
しかし、大学入試の条件付き順列はパターンが決まりきっています!
本記事では、条件付き順列の定番問題の
- 男女の並べ替え問題
- 数字を並べる整数の問題
を徹底解説します!

問題文における暗記すべきキーワードや解き方のコツを完全公開します!お楽しみに!
目次
条件付き順列とは

並び方に条件がある順列。ある特定の制限に沿って並べないといけないため、通常の順列公式$P$がそのまま使えない。
条件付き順列は、ある一定のルールに従うイメージです。
問題文で必ず条件が与えられるので、その条件を優先した並べ方を考えます。

どんな「条件」があるんですか?
例えば、0,1,2,3,の4つの数字を並べて4桁の整数を作る。

この問題には、0が最高位にきてはいけないという条件があるんです!

だって、0が4桁の千の位にきてしまうと、桁数が一つ減って3桁になるからね!

順列の典型問題の1つ男女の並び方も見てみましょう。

男子4人、女子3人の計7人が一列に並ぶ並び方はいくつ?
7人を一列に並べるので${}_7 P_7$または$7!$ = 5040通り

何も条件がない自由な並び方に見えます!

男子4人、女子3人の計7人を一列に並べるとき、両端に女子が並ぶ並び方。

「両端に女子が並ぶ」という条件があります!
このように、並べ方に条件があるものを条件付き順列といいます。
学校でも制服を着るという規則があり、ゴミを捨てる時も分別の規則がありますよね。


私たちの生活に条件・ルールがあるように、
条件のある順列では、指定された条件通りに並べ方を考えないといけません。

次は、入試に出る「条件付き順列」の傾向を見ていこう!
条件付き順列: 2つのパターン
- 整数の並べ替え問題
- 条件のある人や文字の並べ方
条件のある順列には、残念ながら必殺技や公式というものは存在しません。

強いていうなら、
「条件の強いものから優先して並べろ」です!
しかし、入試問題には決まりきったパターンがあります。
条件付き順列のパターンを押さえて、その解き方やコツを覚えましょう!

ここで紹介する条件付き順列の出題パターンは、本記事の後半に全て徹底解説しています。そのまま読み進めよう!
✔︎整数の並べ替え問題
2つ以上の数字を並べて3〜5桁以上の整数を作る問題です。

解き方は、本記事の後半で詳しく解説!
✔︎条件のある人や文字の並べ方
先ほど紹介した「両端に女子がくる」並べ方のような条件付き順列です。
頻出例を以下に列挙しておきます。
- ある特定の人・物が隣リ合う並べ方
特定の人物や物が隣り合う場合、隣り合うものを1つのグループとして数えるテクニックが有効です。
- ある特定の人・物が隣リ合わない並べ方
先に隣り合ってもいいもの同士を並べて、その隙間に隣り合わないものを並べる方法が有効です。
隣り合う・隣り合わない順列は、こちらの記事で徹底解説しています!
- 両端に女子または男子がくる並び方
先に両端にくるものを固定しその並び方を計算。その後、両端以外(真ん中)の並び方を計算して積の法則でまとめる!
- 男女や物が交互に並ぶ
先に男子または女子のいずれかの並び方を考えて固定。仮に、先に男子を固定して並べるとすると、男子それぞれの間に女子を入れてその並べ方を計算する。
大学入試に出るその他の順列6選
受験数学には、条件付き順列の他に6つの種類の順列があります。
順番を考慮して一列に並べるという点は共通していますが、それぞれ違った特徴・公式があります。

それぞれの関連記事も読んで受験に出る全ての順列を理解しよう!
✔︎大学入試必須の順列一覧
- 重複順列: 異なるものを繰り返し使って並べる順列。
- 同じものを含む順列: 同じものを並べる順列。
- 隣り合う・隣り合わない順列
ある特定のもの同士が「隣り合う」「隣り合わない」条件の下で並べる順列。
- 円順列
異なるもの・人を円形に並べたもの。
- じゅず順列
円順列の内、反転して一致するもの。
- 条件付き・同じものを含むじゅず順列
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条件のある順列: 入試問題3選

先ほど紹介した条件付き順列の頻出入試問題に挑戦だ!解き方のコツを全て噛み砕いて説明するよ!
条件のある男女の並び方

男子4人、女子3人が一列に並ぶ時、次のような並び方の場合の数を求めよ
- 7人が一列に並ぶ並び方
- 両端に女子が並ぶ
- 両端の1人は少なくとも男子
- 男女が交互に並ぶ
①7人が一列に並ぶ並び方

条件のない普通の順列なので$P$を使おう!
7人全員が並ぶ(7人$n$から7人全員$r$を並べる)。
${}_7 P_7$または階乗を使って$7!$
${}_7 P_7$=$7!$= 7×6×5×4×3×2×1=5040通り!
(解答終了)
②両端に女子が並ぶ

「両端に女子が並ぶ」の条件は、①先に女子を両端に固定→②両端以外の並べ方の順番で解こう!
まず、先に両端に女子を並べて固定します。

女子は全員で3人います。
3人$n$のうち2人$r$が順番よく両端に並ぶので${}_3 P_2$

両端に女子を配置した後は、両端以外の並び方ですね。

真ん中には、両端にいる2人を除いた5人が並びます。
5人全員を一列に並べるので階乗で$5!$。
後は、求めた値を積の法則を使って、
両端に女子の並べ方=両端の並べ方×真ん中
=${}_3 P_2$×$5!$ = 720通り!
(解答終了)
③両端の1人は少なくとも男子

「少なくとも」を見たら正面突破するのではなく余事象を使おう!
余事象: あるものの正反対を考えること。
例: サイコロで「偶数の目が出る」の余事象は、「奇数の目が出る」。
両端の少なくとも1人は男子は、
- 両端に男子が2人の場合
- 両端に男子が1人の場合
2パターンあり、これら全てを計算しないといけません。
しかし、余事象を求めて全体の場合の数から引くことで「両端の少なくとも1人は男子」が1回の計算で求まります!
「両端の少なくとも1人は男子」の余事象は、
その正反対の「両端の男子は0人」=「両端は女子」
余事象: 両端に女子が並ぶは②で求めたので720通り!

全体(①で求めた値)から余事象を引けばいいので、
5040($7!$) −720 = 4320通り
よって、両端の少なくとも1人は男子は4320通り!
(解答終了)
④男女が交互に並ぶ

男女が交互に並ぶ場合は、先にどちら一方を固定してその間にもう一方を並べよう!
先に女子を並べて固定します!

そして、女子の並べ替えを考えましょう!
例えば、女子にA, B, Cと名前をつけて区別します。

順列なので、ABCとBACは順番が違うので全く違うものです。
3人の女子の並び方なので、階乗で$3!$=6通り!
*3人の全員の並び方のパターンと考える!

樹形図で見ても6通りの並び替えがありますね!

女子を並べた後は、その隙間に男子を並べます。

それぞれの隙間に入れば男子と女子が交互に並ぶよね!こんな風に!

4つの隙間$n$に4人$r$の男子が並ぶので${}_4 P_4$
求めた全ての値を積の法則を使って、
男女が交互=女子の並び方×隙間に男子
=6通り×${}_4 P_4$ = 144通り!
(解答終了)
条件付き重複順列

0~8の9つの数字を重複を許してできる3桁の整数はいくつあるか。

与えられた数字に0があるから要注意だ!

「重複を許して」って重複順列のキーワードだ!
- 異なる人やものを繰り返し使って一列に並べる順列。
今回は、0がある=条件付き、重複OK=重複なので、条件付き重複順列!
選べる数字に0があるので、最高位に0がこないような条件で数字を並べていきます!

例えば、089は、89になるから2桁になるよね!3桁の整数を作るから百の位に0が来たらダメだよね!

- 百の位: 0以外の8つ数字=8通り
- 十の位: 全ての数字=9通り
- 一の位: 全ての数字=9通り

「重複を許して」=「同じ数字を繰り返し使ってもいい」なので十の位も一の位も0~8の9つの選択肢があるよね!
求めた値を積の法則でまとめて、
3桁の整数=百の位×十の位×一の位
=8通り×9通り×9通り=648通り!
(解答終了)
条件のある整数の並べ方

上の5つの数字から4桁の数字を作る時、次の場合の数を求めよ。
- 4桁の整数の総数
- 4桁の整数が偶数
- 4桁の整数が奇数
- 4桁の整数が3の倍数
①4桁の整数の総数

選択肢に数字0があるから、0が最高位にこないように4桁の整数を作ろう!

- 千の位: 0以外の4つ数字=4通り
- 百の位: 先に選んだ数字以外=4通り
- 十の位: 千,百の位で選んだ数字以外=3通り
- 一の位: 千,百,十の位で選んだ数字以外=2通り
これらを積の法則でまとめて、
4桁の整数=4通り×4通り×3通り×3通り=96個!
(解答終了)
②4桁の整数が偶数

ある整数が偶数になる条件は、①下一桁が0の時、②下一桁が偶数の時の2パターン!2つの場合に分け考えよう!
①下一桁が0の時

- 千の位: 0以外の4つ数字=4通り
- 百の位: 先に選んだ数字以外=3通り
- 十の位: 千,百の位で選んだ数字以外=2通り
- 一の位: 数字0=1通り
これらを積の法則でまとめて、
4桁の偶数=4通り×3通り×2通り×1通り=24個!
②下一桁が偶数の時
与えられた数字の中で、偶数は2と4です。
今回は2つの条件があります。
- 0が最高位にきてはいけない
- 一の位が2もしくは4
問題文に問われている「偶数」の方が条件が強いので
②一の位が偶数→①0を最高位に置かない
の順番で整数を並び替えていきます!

- 千の位: 0以外と一の位で選んだ数字以外=3通り
- 百の位: 千,一の位で選んだ数字以外=3通り
- 十の位: 千,百,一の位で選んだ数字以外=2通り
- 一の位: 2もしくは4=2通り
これらを積の法則でまとめて、
4桁の偶数=3通り×3通り×2通り×3通り=36個!
求めた全ての値を和の法則で、
4桁の偶数=下一桁が0+下一桁が2か4
=24個+36個=60個!
(解答終了)
場合分けをしたら、場合の数は和の法則で足し算する!
③4桁の整数が奇数

正面突破で、下一桁が奇数{1, 3}の場合を考えて求めることもできますが、もっと簡単な方法があるよ!
- 余事象の考え方
整数の全体の個数−整数が偶数の個数=整数が奇数の個数

整数には、偶数と奇数の2つしかありません。
つまり、全体からどちらか一方を引くとそのどちらか一方が求まります!
よって、
全体(①で求めた値)−偶数(②で求めた値)
=96個−60個=36個!
(解答終了)

試験本番では、奇数を直接求めるよりも全体ー偶数=奇数で求めた方が計算量が少なくなる場合が多いよ!
④4桁の整数が3の倍数

3の倍数になる条件は、各位の数字の和が3の倍数になるときだね!忘れた人は前述の倍数の条件一覧を確認しよう!
- 各位の和の最小値と最大値の間の数字
4桁の数字の和が最小の組み合わせは、
= {0, 1, 2, 3} = 0+1+2+3 = 6です!
4桁の数字の和が最大の組み合わせは、
= {1,2,3,4} = 1+2+3+4 = 10です!


各位の倍数の和は、与えられる数字で桁数によって変わります。そのため、最小値と最大値を考えてその範囲を絞ろう!
条件: 4桁の整数が奇数になるには、
- 各位の和が6になる{0, 1, 2, 3}
- 各位の和が9になる{0, 2, 3, 4}
これら2つのパターンです。

それぞれ場合を分けて求めていこう!
✔︎各位の和が6になる{0, 1, 2, 3}

- 千の位: 0以外の数字以外=3通り
- 百の位: 千の位で選んだ数字以外=3通り
- 十の位: 千,百の位で選んだ数字以外=2通り
- 一の位: 残った数字=1通り
これらを積の法則でまとめて、
3の倍数=3通り×3通り×2通り×1通り=18個!
✔︎各位の和が9になる{0, 2, 3, 4}

- 千の位: 0以外の数字以外=3通り
- 百の位: 千の位で選んだ数字以外=3通り
- 十の位: 千,百の位で選んだ数字以外=2通り
- 一の位: 残った数字=1通り
これらを積の法則でまとめて、
3の倍数=3通り×3通り×2通り×1通り=18個!
2つに場合分けしたので和の法則!
4桁整数が3の倍数=各位の和6+各位の和9
= 18個+18個=36個!
(解答終了)
最後に: 条件付き順列のまとめ
いかがだったでしょうか?
本記事を読んで、条件付き順列の基礎から出題パターンやその解き方まで理解できたと思います!
前述した大学入試に出るその他の順列もあわせて確認しましょう!
本日のまとめはこちらです!
- 条件付き順列: 特定の条件の下で並べる順列
例: 「両端に女子がくる並べ方」
- 条件付き順列: 条件のあるものから優先的に並べる!
- 2つの出題パターン
- ①整数の並べ替え問題
- 偶数・奇数や倍数の条件を暗記しよう!
- ②条件のある文字や人の並べ方
- 奇数の個数=整数全体の個数ー偶数の個数
本日もお疲れ様でした!
条件のある順列って何?どうやって解くの?