お疲れ様です!文系数学ラボのダイです!


同じものを含む数珠順列が簡単に解けるコツや出題パターンを知りたい!
今日はこのような疑問にお答えします!
同じものを含む数珠順列は、数珠の公式$\frac{(n−1)!}{2}$が使えないため、解き方に工夫が必要です。

でも、入試に出る数珠順列(同じもの)の2パターンしかない!本記事で紹介するパターン別の解き方を覚えよう!
さらに、数珠順列(同じもの)専用の最強公式も完全公開しています!
目次
復習: 2分で分かる数珠順列の解き方!

数珠順列の基礎が大丈夫な人は、次の同じものを含む数珠順列の解き方にいこう!
- 円順列を求めて、2で割る!
異なる$n$個のものの数珠順列は$\frac{(n−1)!}{2}$

異なる4色の玉を使ってできるネックレスの総数を求めよ。
- 4個の玉の円順列=$(4−1)!$通り
- 円順列を2で割る=$\frac{(4−1)!}{2}$=$\frac{3!}{2}$=3通り
よって、求める数珠順列は、3通り。
- 異なるものの数珠順列は、円順列$(n−1)!$を2で割る!

同じものを含む数珠順列は、円順列を2で割っても解けない。次に紹介する専用の公式や解き方を押さえよう!
同じものを含む数珠順列(例:赤玉2個、青玉3個)は、円順列を反転しても同じ円順列になる。そのため、円順列を2で割っても数珠順列にはならない。
数珠順列(同じもの): パターン別解法
入試に出る同じものを含む数珠順列は、2パターンしかありません。
- 並べるものを固定できるパターン
- 並べるものを固定できないパターン

それぞれのパターンにあった解き方を徹底解説します!
①固定できるパターン

青玉1個、赤玉2個、緑玉4個で作れるネックレスはいくつあるか。
1個しかないもの(青玉1個)がある時、それを先に固定せよ!


1個しかない仲間はずれの玉がある時は、それを固定すれば簡単に解けます。
- 1個しかない仲間はずれ固定。
- 円順列(同じもの)を求めて、左右対称型と左右非対称型の2組に分ける
- 公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$

ここでは、円順列を求めます。
同じものを含む円順列の公式: $\frac{円順列(n−1)!}{同じものの個数}$を使います。
円順列を同じものそれぞれの個数分の階乗で割る。
7個の玉の同じものを含む円順列は、
$\frac{(7−1)!}{4!2!}$=$\frac{6!}{4!2!}$=$\frac{6×5×4×3×2}{4×3×2×2}$=15通り
$4!$=緑玉の個数、$2!$=赤玉の個数の階乗。

円順列(同じもの)の総数を求めて、左右対称型と非対称型に分けよう!

- 左右対称=中心軸に対して左と右の玉の並びが一致。
- 左右非対称=中心軸に対して左と右の玉の並びが違う。

実際に円順列をいくつか書いてみて、左右対称型からいくつあるか調べます!


- 円順列(同じもの)=15通り。
全体15通りのうち、
- 左右対称型=3通り
- 左右非対称型=15−3=12通り
左右対称方の総数が分かれば、全体から左右対称を引いて、左右非対称の個数を求められます。

試験では時間制限があるので、書く円順列は左右対称型だけにしよう!

左右対称と非対称の内訳を求めたら、同じもの数珠順列の最強公式に代入しよう!
- 左右対称型=3通り
- 左右非対称型=12通り

円順列(同じもの)の総数を求めて、左右対称と非対称に分けて、
- (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$通り。
②固定できないパターン

赤玉4個、青玉3個で作れるネックレスはいくつあるか。
先ほどの問題とは違って、1個しかないものがありません。

この場合、赤玉か青玉のどちらかを固定しても、回転すると同じ並び方が出てくるので計算できない!
1個しかないものが存在しない場合、個数の少ないものを中心に並べ方を考える。
- 個数の少ない玉を中心に円順列(同じもの)を求める。
- 求めた円順列(同じもの)を、左右対称型と左右非対称型の2組に分ける
- 公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$
ここでは、個数の少ない青玉を基に7つの玉の並び方を考えます。

ポイントは、青玉それぞれの間にいくつ赤玉が並ぶか。
青玉それぞれの隙間を、$X$, $Y$, $Z$とする。
青玉は全部で4個なので、$X$+$Y$+$Z$=4。

✔︎青玉の隙間に入る赤玉のパターン

($X$, $Y$, $Z$)とすると、以下の5パターンの円順列(同じもの)が考えられます。
- (4, 0, 0)
- (3, 1, 0)
- (0, 3, 1)
- (2, 1, 1)
- (0, 2, 2)
②左右対称型と左右非対称型に分ける

円順列(同じもの)は全部5通りと分かったので、細かな内訳を見ていこう!

まずは、左右対称型の個数を求める。そして、全体−左右対称=左右非対称の数ですね!

左右対称型は、中心軸を引いた時に左右の並べ方が同じもの!よって、上の3通りです。

左右非対称は、5通り(全体)−3通り(左右対称)=2通りです!


円順列(同じもの)の内訳が分かったので、最強公式に代入しよう!
円順列(同じもの)の総数を求めて、左右対称と非対称に分けて、
- (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$通り。
- 円順列(同じもの)=5通り。
全体5通りのうち、
- 左右対称型=3通り
- 左右非対称型=2通り

(解答終了)
- 個数の少ない玉を中心に円順列(同じもの)を求める。
- 求めた円順列を、左右対称型と左右非対称型の2組に分ける
- (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$に代入!
この固定できないパターンは、地道に並び方を考えます。難問のため、試験で時間がない時は、後回しOK!。
数珠順列(同じもの): 応用問題3選
固定できるパターン①

赤玉2個、青玉1個、黒玉1個で作れるブレスレットはいくつあるか。

個数が1つしかない仲間はずれの玉がありますね!

青玉もしくは黒玉のどちらかを固定して、以下のステップで解こう!
- 1個しかない仲間はずれ固定。
- 円順列(同じもの)を求めて、左右対称型と左右非対称型の2組に分ける
- 公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$
ここでは、黒玉を固定します!


固定した後は、同じものを含む円順列の総数を求めよう!

- 公式: $\frac{円順列(n−1)!}{同じものの個数}$
円順列を同じものそれぞれの個数分の階乗で割る。
4つの玉の円順列(同じもの)は、
$\frac{(4−1)!}{1!2!}$=$\frac{3!}{1!2!}$=$\frac{3×2}{1×2}$=3通り
1!=青玉の個数、2!=赤玉の個数の階乗

✔︎4つの玉の数珠順列(同じもの)の内訳
全体で3通りの円順列(同じもの)
- 左右対称型=1通り
- 左右非対称型=2通り
③最強公式に代入
✔︎公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$
1+$\frac{2}{2}$=2通り
(解答終了)
固定できるパターン②

赤玉4個、青玉3個、黒玉1個で腕輪を作る時、作り方は何通りあるか。

黒玉1個が仲間はずれ!黒玉を固定ですね!


固定した後は、円順列(同じもの)を求めよう!

これを計算すると、
$\frac{(7−1)!}{3!4!}$=$\frac{6!}{3!4!}$=$\frac{6×5×4×3×2}{3×2×4×3×2}$=35通り

円順列(同じもの)の総数を求めたら、細かな内訳を見ていこう!左右対称型から見ていこう!

✔︎8つの玉の数珠順列(同じもの)の内訳
全体で35通りの円順列(同じもの)
- 左右対称型=3通り
- 左右非対称型=35-3=32通り
③最強公式に代入
✔︎公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$
3+$\frac{32}{2}$=19通り
(解答終了)
難: 固定できないパターン②

赤玉6個、青玉3個でできるネックレスはいくつあるか。
1個しかないものが存在しない場合、個数の少ないものを中心に並べ方を考える。
- 個数の少ない玉を中心に円順列(同じもの)を求める。
- 求めた円順列(同じもの)を、左右対称型と左右非対称型の2組に分ける
- 公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$
個数の少ない赤玉を基に9つの玉の並び方を考えます。

赤玉それぞれの隙間を、$X$, $Y$, $Z$とする。
青玉は全部で4個なので、$X$+$Y$+$Z$=6。
✔︎赤玉の隙間に入る青玉のパターン
($X$, $Y$, $Z$)とすると、(6, 0, 0), (5, 1, 0), (5, 0, 1),(4, 2, 0), (4, 0, 2), (3, 3, 0), (4, 1, 1), (3, 2, 1), (3, 1, 2), (2, 2, 2)
これら10通りあります。
②左右対称型と左右非対称型に分ける

円順列(同じもの)の総数が分かったので、細かな内訳を見ていこう!
✔︎左右対称: 中心軸の右と左の並べ方が同じ。
そのため、$X$+$Y$+$Z$のうち、2つ以上が同じ個数並べられているものになります。
例えば、($X$, $Y$, $Z$)=(6, 0, 0)は、同じ0個が2つあるので左右対称です。


✔︎左右対称は、2つ以上が同じ個数のもの!
($X$, $Y$, $Z$)のうち、
(6, 0, 0), (3, 3, 0), (4, 1, 1), (2, 2, 2)
これら4通りあります。
- 全体−左右対称=左右非対称
10(全体)−4(左右対称)=6通り

最後に、専用公式に左右対称、非対称の個数を代入しよう!
- 円順列(同じもの)=10通り。
全体10通りのうち、
- 左右対称型=4通り
- 左右非対称型=6通り
③最強公式に代入
✔︎公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$
4+$\frac{6}{2}$=7通り
(解答終了)
最後に: 数珠順列の応用まとめ
いかがだったでしょうか?
本日のまとめはこちらです。
- 固定できるパターン
- 1個しかない仲間はずれ固定。
- 円順列(同じもの)を求めて、左右対称型と左右非対称型の2組に分ける
- 公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$
- 固定できないパターン
- 個数の少ない玉を中心に円順列(同じもの)を求める。
- 求めた円順列(同じもの)を、左右対称型と左右非対称型の2組に分ける
- 公式: (左右対称型)+$\frac{(左右非対称型)}{2}$
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