こんにちは!文系受験数学のダイです!


覚え方や計算のコツ知りたい!

なんでビックリマーク$!$なの?!

なんで$0!$=1なの?
今日はこのような疑問にお答えしていきます!
階乗のイメージからその暗記方法まで徹底解説しています!
目次
階乗とは
定義とイメージ
異なる$n$のもの全てを一列に並べる時の並べ方。エクスクラメーションマーク$!$を使って表す。
*階乗は、英語でfactorial(ファクトリアル)といい、6の階乗はsix factorialと言います。
階乗は、順列の中でも全てを選んで一列に並べるものです。
例えば、一般的な順列では
「5人の学生から3人を選んで一列に並べる」でした。
しかし、階乗の場合、必ずあるもの全てを選んで並べます。例えば、5人の学生から5人全員を選んで一列に並べる

階乗は、欲張りなイメージです!
5人いたら5人全員を選ぶ。
そこにあるもの全てを自分だけのものにするんです!欲張りなイメージが湧きませんか?

以下のようにして覚えましょう!
あるもの全てを取る欲張りな階乗!

次は、階乗の記号の使い方を見ていこう!
記号

階乗にも数学的な記号あるんですか?

うん!エクスクラメーションマーク($!$)だね!日本語では、感嘆符とかビックリマークと言うかな。
異なる$n$のもの全てを一列に並べる時の並べ方の総数は、${}_n P_n$ = $n!$通り
*$n!$は、$n$の階乗と呼びます。
例えば、さっきの生徒5人全員を並べる並べ方。

これを階乗の記号を使って表すと、$5!$です。
順列$P$を使うと、${}_5 P_5$です。
${}_5 P_5$と$5!$は全く同じものです。
順列${}_n P_r$の$n$と$r$が同じになった時、ビックリマーク$!$を使って表せるというだけなんです。

なんでビックリマークなんですか?

だって、${}_n P_r$の$n$と$r$が同じなんだよ!びっくりしない?笑

- あるもの全部を取る欲張りな階乗

- (${}_n P_r$の)$n$と$r$が同じなんて、まあ!びっくり(!)
階乗の公式
異なる$n$のもの全てを一列に並べる時の並べ方の総数は、${}_n P_n$ = $n!$通り
- $n!$ = n×(n−1)×(n−2)×…×1
階乗の公式はズバリ!
その数字から順番よく1になるまでかけろ!
例えば、5の階乗$5!$

$5!$ = 5×4×3×2×1 = 120
- $1!$ = 1
- $2!$ = 2×1
- $3!$ = 3×2×1
- $4!$ = 4×3×2×1

階乗はその特徴から、「1からある数までの連続する整数の積」とも言われます。
公式の証明

なんで階乗は、その数字から順番よく1になるまでかけるんですか?

それは、階乗も順番よく選んで一列にするからなんだ!
階乗は全部取るといっても、一回でまとめて全部は取りません。
順列と同じく階乗も、順番よく1つ1つ選んで並べます。
例: ABCDEの5人を全員一列に並べる。

まず、列の1番目を決めます。1番目は、A,B,C,D,Eの5通りの選び方があります。ここでは、Aを選びことにします。(なんでもいいです)

2番目は、Aを除くB, C, D, Eの4通り。ここでは、Cを選びます。

3番目は、すでに選んだA,C以外の3通り。Bを選ぶとします。
すると、4番目には、D, Eどちらかで2通り。4番目にDを選ぶと、5番目は残りのEで1通りです。
これら全てを積の法則でまとめて、
5人全員を選ぶ = 5×4×3×2×1 = 120通り
5→4→3→2→1と選ぶ度に、全体の数が1つずつ減少します。

だから階乗では、その数字から順番よく1になるまでかけるんだ!
階乗でかけ算をする理由は、5個全てを選んで並べる1つ1つのステップが連続しているから!
積の法則の記事で詳しく解説しています!
階乗の計算方法
計算のコツ

階乗の計算は、3つのポイントで効率よく計算できるよ!
- その数字から1までかけろ
- 分数では約分してからかけ算せよ
- 0の階乗$0!$は必ず1になる

実際に問題を解きながら確認しよう!
次の計算をせよ。
- $8!$
- $6!$×$3!$
- $\frac{4!}{3!}$
- $0!$
① $8!$ (8から1までをかける)
$8!$ = 8×7×6×5×4×3×2×1 = 40320
(解答終了)
② $6!$×$3!$
- $6!$ = 6×5×4×3×2×1 = 720
- $3!$ = 3×2×1 = 6
よって、$6!$×$3!$= 720×6 = 4320
(解答終了)
③ $\frac{4!}{3!}$
- $4!$ = 4×3×2×1
- $3!$ = 3×2×1
分数なので計算をする前に約分をします!

約分すると、$\frac{4}{1}$ = 4
(解答終了)
④ $0!$
$0!$は必ず1になるいう数学上のお約束があります。
$0!$ = 1
(解答終了)

$0!$ = 1の理由も詳しく解説するよ!
$0!$ = 1の理由
0の階乗を1とする理由は、${}_n P_r$ = $\frac{n!}{(n-r)!}$を成り立たせるためです。
$\frac{n!}{(n-r)!}$は、順列の公式${}_n P_r$を変形したものですが、仕組みは同じです。
$n$ = 3, $r$ = 2とすると、
- $\frac{n!}{(n-r)!}$ = $\frac{3!}{(3-2)!}$ = 6
- ${}_n P_r$ = ${}_3 P_2$ = 3×2 = 6
この2つは同じですよね!
例えば、3人全員を一列に並べる方法。
3人($n$)から3($r$)全員なので、${}_3 P_3$
${}_3 P_3$ = $\frac{3!}{(3-3)!}$=$\frac{3!}{0!}$です。
ここで$0!$=0とすると、$\frac{3!}{0!}$=0となって3人全員を一列に並べる方法が0通りとなります。
しかし、3人全員を一列に並べる方法は実際6通り存在します。

ここで、$0!$=1とします。
$\frac{3!}{0!}$=$\frac{3!}{1}$=$\frac{3×2}{1}$=6通り!

ちゃんと6通りになってるね!
このように$0!$=1とすると公式${}_n P_r$ = $\frac{n!}{(n-r)!}$が成り立ちます。
階乗の見分け方と使うとき
階乗のイメージは、
あるもの全てを取る欲張りな順列です。

そのため、階乗は並べたもの全てを選んで一列にする時に使います。階乗の問題を見分ける時は、問題文に「全て」を意味するキーワードを探します。
- 5人全員を一列に並べる並べ方
- ある5個の数字を並べて5桁の整数を作る
5個全てを並べないと5桁の整数は作れない!
また階乗は、ある一定数を円形に並べる円順列でも使われます。
組合せの公式でも階乗が使われています。
異なるn個からr個を取り出した時の総数は、
${}_n C_r$ = $\frac{{}_n P_r}{r!}$
- 読み方は、エヌ・シー・アールです。
- Cは、英語のCombinationの略です。
階乗が使われる理由はこちらをチェック!
階乗を使った入試問題にチャレンジ!
人の並び方
8人の生徒全員を一列に並べる並べ方はいくつあるか。

問題文に「全員」とあるね!全部取る欲張りの階乗の出番だ!
8人全員を並べるので階乗を使って$8!$
$8!$ = 8×7×6×5×4×3×2×1 = 40320通り
(解答終了)

階乗の公式を使えば楽勝〜!!
整数の並び方
0, 1, 2, 3, 4, 5, 6の7個の数字を一列に並べて7桁の整数を作るとき、7桁の整数はいくつできるか。

7つの数字全てを使わないと7桁の整数はできないよね!
7つの数字全てを一列に並べるので
$7!$ = 7×6×5×4×3×2×1 = 5040
とした人は間違いです!!
なぜなら、最高位(百万の位)に0を置くと7桁ではなくなるから!

つまり、最高位に0を置かないような並べ方を考えないといけません。

- 百万の位は、0以外の数字で6通り。
- 十万から一の残りの位は、百万で選んだ数字以外全部で$6!$
①と②は連続して起こるので積の法則より、
6通り×$6!$ = 6×6×5×4×3×2×1=4320通り
(解答終了)
今回のように、条件(最高位に0がこない)がある並び方を条件付き順列と言います。受験数学では頻出の分野なので確認しておきましょう!
最後に: 階乗のまとめ
いかがだったでしょうか?
「全部」の欲張りな階乗のイメージが理解できたと思います。
前述したように階乗は、組合せや円順列の公式にも使われています。どのように使われているのか確認しておきましょう。
本日のまとめは以下の通りです。
- 階乗: あるものから全部を取って一列に並べる
- あるもの全てを取る欲張りなイメージ
- 記号$!$を使う。例: $5!$
- 階乗はその数字から1になるまでかける!
- $0!$=1の理由は${}_n P_r$ = $\frac{n!}{(n-r)!}$を成立させるため!
- 問題文では「全部」を意味するキーワードを探せ!
階乗って何?どうやって計算するの?