お疲れ様です!受験数学のダイです!


余事象や排反事象との違いを知りたい!

よっしゃ!この記事だけで、空事象の全てを完全網羅しましょう!
一般的な空事象の定義はこちらです。
「根元事象を1つも含まない事象」
….. うーん
絶妙に何言ってるか分からないですよね(笑)

ってことで、分かりやすい例を交えて解説していきます!
この記事では、空事象を他の事象と比較しながら解説します!

空事象を他事象と区別して使えるように徹底伝授していきます!
目次
空事象とは? イメージや考え方
サイコロを使って説明してみた
- 「存在しない事象」「(実質的に)ありえない事象」
- 英語では、Empty Event (空っぽの事象)。
- 読み方は、エンプティーイベント。
例えば、サイコロを1個投げて
- 事象: 12の目が出る
ってありえないですよね?

普通のサイコロって1~6の目しかない!

「12の目」は、起こることのない(ありえない)事象なので、空事象です。
サイコロ1個で、偶数と奇数の両方が出る。
これも空事象なんです。

サイコロ1個では、奇数もしくは偶数のどちらか一方しかでない。
起こることがない=ありえない事象
これを数学では、空事象というんだ!

じゃあ、先生が「プロ野球で大谷翔平を超える3刀流で活躍する」は空事象ですか(笑)?

空事象です!ありえません!!笑
物理的、理論的にありえない事象は、基本的に空事象です。
海外ドラマの「スーパーナチュラル」知ってる?

超能力を使う天使とか悪魔が出てくるドラマ!これは、ドラマの世界ではOKだけど、現実世界では空事象!

僕たちの世界では、ありえないですもんね(笑)

- 存在しない、ありえない事象。
例: 「12の目」が出る
根元事象を1つも含まないとは?
- 事象の具体的な1つ1つの要素(中身)。
例:「偶数の目」の根元事象={2},{4},{6}
空事象は、ありえない・存在しない事象です。
だから、事象の中身がなくて空っぽなんです。

これを言い換えたのが、「根元事象を1つも含まない」なんだ!
例えば、サイコロを投げて、奇数の目が出る。
事象の中身って簡単にイメージできませんか。
- 事象: 奇数の目={1,3,5}
みたいな感じで!根元事象は事象の1つ1つなので、{1}, {3}, {5}です。

じゃあ、サイコロで「12の目が出る」は?事象の具体的な中身ってイメージできる?

できないです… そもそも「12の目」なんて見たことないです。

そう!ありえないからイメージできない!
だから、「事象の中身なし=根元事象を1つも含まない」と解釈できるんだ!
- 空事象には、根元事象が1つもない!
「12の目」自体が存在しない事象のため、「12」は事象の要素(根元事象)になれない。

空事象って、根元事象がなくて空っぽで寂しいやつですね(笑)

空事象は、英語でEmpty Event(空っぽの事象)。「中身がなくて空っぽ」のイメージは。英語でも日本語でも同じだね。
空事象の記号と使い方
- 記号 $\phi$
- 読み方: ファイ
*空集合と同じ記号です。

$\phi$ファイを使って、「存在しない・ありえない」事象を簡単に表せるよ。

例えば、下の2つの集合(グループ)。
- 集合A: りんごが好きな人
- 集合B: みかんが好きな人
集合A,Bには、共通項である「りんごもみかんも好きな人」が存在しません。
これを空集合で表すと、
りんごもみかんも好きな人=$\phi$
A∩B=$\phi$となります。
つまり、AかつB=AとBの共通項は存在しないという意味です。
記号∩(かつ)は、積事象の記事で詳しく解説しています!
A∩B=$\phi$のように、存在しないものや事象を表す。
排反事象との違い
1分で分かる排反事象まとめ
2つの事象が同時に起こらないこと。
例: サイコロを1回投げて、
- 事象A: 偶数の目が出る={2,4,6}
- 事象B: 5の目が出る={5}
事象A,Bに共通項がなく、サイコロ1個では事象A,Bのどちらか一方しか起きない。
この時、事象A,Bは、排反または排反事象である。
排反と空事象の違い
- 排反: 事象A,Bの関係性(同時性)を判断。
- 空事象: 共通項があるかないかの判断。
排反事象と空事象は、一般的にこのように説明されます。
事象A, Bを同時に満たす事象(共通項)が空事象のとき、事象A,Bは互いに排反事象である。

意味不明すぎてじんましんが出そう(笑)

この説明じゃ無理もないよ(笑)
ポイントは、排反事象の特徴「2つの事象に共通項が存在しない」を空事象で説明しているだけ!

サイコロを使って説明するよ!

例: サイコロを1回投げて、
- 事象A: 奇数の目が出る={1, 3, 5}
- 事象B: 4の目が出る={4}
事象A,Bに共通項がありません。
これは、空事象$\phi$を使って、
- 事象A,Bの共通項=空事象(存在しない)
- A∩B=$\phi$
とできます!
そして、A∩B=$\phi$の時、
つまり、事象A,Bを同時に満たす共通項が存在しない時、2つの事象は同時に起こりません。そのため、事象A,Bは排反です。

排反事象の本質「事象A,Bの共通項なし」をA∩B = $\phi$と空事象で説明してるだけ!
さらに決定的な両者の違いは、
- 排反: 必ず2つ以上の事象の関係性を考える。
- 空事象: 1つの事象に関しても使える!
空事象は「存在しない」事象を表すので、12の目がでる=空事象のように事象単品に対しても使えます。
しかし、排反は複数の事象の同時性を考えるので、必ず2つ以上の事象が必要!
- 排反: 複数の事象が同時に起きるか否かの判断。
- 空事象: 単品または複数の事象が存在するか否かの判断。
空事象$\phi$は、排反の条件:共通項が存在しないを端的に説明するために使う。
余事象との違い
1分で分かる余事象まとめ
ある事象が起こらない時の反対の事象。
例えば、サイコロには6通りの目があります。

サイコロを投げて「偶数の目」が起こらないとき、必ず「奇数の目」が出ます。
この時、「奇数の目」を「偶数の目」の余事象と言います。
- 事象A: 偶数の目={2,4,6}
- 事象B: 奇数の目={1,3,5}

サイコロには1~6の目しかないので、{2,4,6}が出ないなら奇数の目={1,3,5}が必ず出ますね!
- コインを投げて表が出る
余事象=「裏が出る」
- サイコロで3以下の目が出る
余事象=「4以上の目が出る」
余事象はこちらの記事で徹底解説しています!
余事象と空事象の違い
- 余事象=ある事象が起こらない事象。
- 空事象=決して起こらない事象。

教科書の定義だと、「余事象と空事象って同じやん!」と混乱する学生が続出です。
余事象と空事象は、全く違うものです。
余事象と空事象では、「事象が起こらない」の意味が違います。
- ある事象の反対
サイコロで「偶数の目」の余事象は、偶数の反対の「奇数の目」。

ある事象の正反対なので、余事象=「奇数の目」でも余事象は起きますね!

逆に、空事象は起こらないは、文字通り「存在しない・絶対に起こらない」です。
- 現実では絶対にありえない・存在しない
具体例:
- サイコロで8の目が出る
- コインを1回投げて「裏表」の両方出る。
- 余事象: ある事象の正反対
世事象自体は、実際に起こりうる!
- 空事象: 絶対に起こらない・存在しない事象
最後に:空集合まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事を読んだあなたなら、
「生まれながら数学ができない人」=空事象$\phi$
ということは分かったと思います(笑)
本日のまとめはこちらです!
- 空事象: 存在しない・ありえない事象。
例: サイコロで8.5の目が出る。
- 空事象の記号: $\phi$(ファイ)
「8.5の目」=$\phi$のように存在しない事象を端的に表す。
- 排反事象と空事象の違い
- 排反: 2つ以上の事象の同時性を判断する。
- 空事象: 1つまたは複数の事象が存在するか否かの判断。
- 余事象と空事象の違い
- 余事象: ある事象の正反対
- 空事象: 実質的に起こらない事象
本気で紹介した排反事象と余事象の記事も読んで、空事象との区別をさらに明確にしよう!
空事象って何?いつ使うの?$\phi$ってどう読めばいいの?