お疲れ様です!文系受験数学のダイです!

組み合わせ$C$って何? 問題でどう見分ければいいの!?

公式${}_n C_r$ = $\frac{{}_n P_r}{r!}$が意味不明… なんでr!で割るの?

組み合わせと順列の違いって何?
今日はこのような疑問にお答えしていきます!
組み合わせの基本計算のコツから公式の証明まで徹底解説しています!

この記事で組み合わせの公式も簡単に暗記できるよ!
目次
組み合わせとは
定義と考え方
異なる$n$個のものから$r$個取り出すときの取り出し方は、${}_n C_r$
- ${}_n C_r$の読み方は、エヌ・シー・アール
- $C$は、英語のCombinationの略
組み合わせは、一言で言うと物事の選び方です。

例えば、マクドナルドでの注文。

チーズバーガーセットを選ぶとします。
すると、サイドメニューでいくつかの組み合わせがあります。
- フライドポテト、ナゲット、サラダ
- ドリンクの種類
- チーズバーガー→ポテト→お茶
- チーズバーガー→ナゲット→お茶
- チーズバーガー→ポテト→コーラ
などいくつかのパターンがあります。
実際に、いくつの選び方・パターンがあるのかを計算で求めるのが組み合わせです。
- 順番を気にしないで選ぶ
- 列に並べない

さっきのマックでの注文を思い出して下さい!
- チーズバーガー→ポテト→お茶
- お茶→ポテト→チーズバーガー
- ポテト→チーズバーガー→お茶
注文したものは、チーズバーガー, ポテト, お茶の3つです。これらの順番を変えたところで意味が変わるでしょうか?
意味は変わりませんよね。そのため、組み合わせでは順番を考慮しません。
例えば、1,2,3の3つの数字を使って3桁の整数を作る。134と413は同じ数字の組み合わせを使っていますが、2つの数字は全く違うものです。この場合、134の数字の順番を変えると意味が変わってくる。
組み合わせは、選ぶだけです。そのため、順列のように列に並べることもありません。
- 順番を考慮しない
- 列にも並べない
これらの特徴ゆえ、組み合わせは「並べない順列」とも呼ばれます。
組み合わせの記号と計算
記号$C$の使い方

組み合わせも数学お得意の記号とかあるんですか?

うん!コンビネーションの$C$だね!
異なる$n$個のものから$r$個取り出すときの取り出し方は、${}_n C_r$
- ${}_n C_r$の読み方は、エヌ・シー・アール
- $C$は、英語のCombinationの略
例えば、3種類のケーキから2個を選ぶ方法。

異なる3個($n$)のケーキから2個($r$)を選ぶので、${}_3 C_2$。これは、サン・シー・ニと呼びます。

組み合わせ$C$の計算方法やコツも合わせて見ていこう!
組み合わせの計算方法とコツ
異なる$n$個のものから$r$個取り出すときの取り出し方は、${}_n C_r$
- ${}_n C_r$ = $\frac{{}_n P_r}{r!}$
組み合わせの計算では、順列${}_n P_r$とビックリマークの階乗$!$の両方を使います。
- 順列${}_n P_r$ = n×(n−1)×(n−2)
- 階乗$!$ = その数字から1までを掛け合わせる。例: $4!$ = 4×3×2×1
例えば、3個のケーキから2個選ぶ組み合わせは${}_3 C_2$でした。
3が$n$、2が$r$なのでそれぞれ公式に代入して、
${}_3 C_2$ = $\frac{{}_3 P_2}{2!}$ = $\frac{3×2}{2×1}$ = 3

下の問題でさらに$C$の計算を練習しよう!
次の計算をせよ。
- ${}_5 C_2$
- ${}_{10} C_7$
- ${}_4 C_1$
- ${}_{70} C_{70}$
- ${}_5 C_0$
①${}_5 C_2$ ($n$=5, $r$=2を$\frac{{}_n P_r}{r!}$に代入)
${}_5 C_2$=$\frac{{}_5 P_2}{2!}$=$\frac{5×4}{2×1}$ = 10
(解答終了)
②${}_{10} C_7$

このまま${}_{10} C_7$を計算できるけど、数が大きくてめんどー。こんな時はこのテクニックを使おう!
- ${}_n C_r$ = ${}_n C_{n-r}$
例:${}_{100} C_{97}$ = ${}_{100} C_{100−97}$ = ${}_{100} C_{3}$
${}_{100} C_{97}$と${}_{100} C_{3}$は同じ計算!
${}_{10} C_7$はめんどーなので、${}_{10} C_{10-7}$=${}_{10} C_{3}$
代わりに${}_{10} C_{3}$を計算します!
${}_{10} C_{3}$ =$\frac{{}_10 P_3}{3!}$=$\frac{10×9×8}{3×2×1}$ = 120
(解答終了)
③${}_4 C_1$
- ${}_n C_1$ = $n$
例: ${}_{100} C_1$ = 100, ${}_8 C_1$ = 8
${}_4 C_1$ = 4
(解答終了)
④${}_{70} C_{70}$
- ${}_n C_n$=1
例: ${}_{1000} C_{1000}$ = 1, ${}_{57} C_{57}$ = 1
よって、${}_{70} C_{70}$ = 1
(解答終了)
⑤${}_5 C_0$
- ${}_n C_0$=1
例: ${}_{1000} C_0$ = 1, ${}_{66} C_{0}$ = 1
よって、${}_5 C_0$ = 1
(解答終了)
- ${}_n C_r$ = ${}_n C_{n−r}$
- ${}_n C_1$ = $n$
- ${}_n C_n$ = ${}_n C_0$ = 1

これらの計算テクニックはしっかり暗記しておこう!
組み合わせの公式証明
異なる$n$個のものから$r$個取り出すときの取り出し方は、${}_n C_r$
${}_n C_r$ = $\frac{{}_n P_r}{r!}$
順列$P$÷びっくり階乗$!$ = $C$と覚えることをおすすめしますが、この公式の中身をさらに具体的に理解することで簡単に暗記できます!
なんで階乗で割る
異なる$n$個のものから$r$個取り出すときの取り出し方は、${}_n C_r$
${}_n C_r$ = $\frac{{}_n P_r}{r!}$
なぜ$C$公式では、順列${}_n P_r$を階乗$r!$で割るのか。
それは、組み合わせが順番を考慮せず並べないからです!
階乗は、異なるいくつかのものからその全てを取り出して並べる総数です。

下記のケーキの例を見ればすぐに分かるよ!
例えば、3種類のケーキから2種類の選び方を考えます。

イチゴ、チーズ、ブルーベリーの3種類です。
これを順列を使って表すと、3種類のケーキ($n$)から2つ($r$)選ぶので${}_3 P_2$
${}_3 P_2$ = 3×2 = 6通り
順列の詳しい計算方法はこちら!
下の樹形図のようになります!

樹形図とは、組み合わせや物事の起こるパターンを視覚化した図。
順列では順番を考慮して並べるので、同じイチゴとチーズを選んでもその順番が違えば違うものとして区別します。

この順列のイメージは、
- 1番目に好きなイチゴケーキを食べる
- 好きなイチゴケーキを最後に残して食べる
これら2つは意味が違う!、と捉えるんです!
しかし、組み合わせはそんなことは気にしません!なぜなら、順番を気にせずに並べないからです。
そのため、組み合わせでは
- 最初に好きなイチゴを食べようが、
- 好きなイチゴを最後に残して食べようが
結局は同じもの食べてるやん!順番どうでもいい!となるんです!

そのため、ケーキの組合せは3通りだけ!
順列では、(イチゴ、チーズ), (チーズ、イチゴ)を順番によって2つを区別して数えています。そのため、通常の順列から余分に数えた分(階乗)を割って、組合せにします。
順列${}_n P_r$÷階乗 = 組み合わせ!
イチゴ、チーズの2つの並べ方は、この2種類のケーキから2個を選んで並べるので、${}_2 P_2$ = $2!$です。
これを組み合わせの公式で表します。
$\frac{{}_n P_r}{r!}$=$\frac{ケーキを1列に並べる順列}{順列で順番をつけてた余分なもの}$=組合せ
実際に計算しても、
${}_3 C_2$ = $\frac{{}_3 P_2}{2!}$=$\frac{3×2×1}{2×1}$ = 3通りです!
✔︎順番を考慮するかどうかで判断する。
- 組み合わせ: 順番を気にしない。ABCもBCAも同じABCの3つから成るので同じ。
- 順列: 並べる順番によって区別する。BACとACBは、全く違うもの。

組み合わせはただ選ぶだけだね!順列みたいに並べないんだ!
入試問題での順列と組み合わせの区別は、非常に大事です。問題によって両者をどう使い分けるかも確認しておきましょう!
順列との違い

順列と組み合わせの違いは、順番を考慮するかどうかです。
- 順番を考慮する→ 順列
- 順番を考慮しない→ 組み合わせ
前述した通り、組み合わせはただ選ぶだけで並べません。

入試問題などではどう区別すればいいの?!
こちらの記事で、順列と組合せの違いを徹底解説しました。
問題での組み合わせ$C$の見分け方
問題で組み合わせを使うかどうかの判断は、
順番を考慮する必要があるか否かです。
前述した順番で意味が変化するものです。
キーワードなどですぐに判断ができればいいのですが、$C$を使う問題なのかの判断は問題文によって大きく異なるので考える力を身につける必要があります。
組み合わせ問題の例を参考までに列挙しておきます。
こちらの記事ではさらに詳しく$P$と$C$の使い分けを解説しています!
組み合わせの入試問題にチャレンジ!
男女の組み合わせ

男子生徒6人、女子生徒4人の合計10人から学級委員を2人選ぶとき、次の問題に答えよ。
- 10人から2人の学級委員を選ぶ方法
- 少なくとも1人は男子である

問題文では「選ぶとき」と書かれています。一列に並べたり、順番を考慮する必要はないので$C$の出番です!
①10人から2人の学級委員を選ぶ方法
異なる10人($n$)から2人を選ぶので($r$)、
公式${}_n C_r$=$\frac{{}_n P_r}{r!}$より、
${}_{10} C_2$=$\frac{{}_{10} P_2}{2!}$ = $\frac{10×9}{2×1}$ = 45通り
(解答終了)
②少なくとも1人は男子である
場合の数・確率では、「少なくとも」ときたら余事象の考え方を使いましょう!
余事象: あるものの正反対を考えること。
例えば、サイコロで偶数の目が出るの余事象はその正反対の「奇数の目が出る」
余事象を使わなければ、少なくとも男子1人なので
- 選んだ2人の内1人が男子
- 選んだ2人とも男子
この2つを計算しなければいけません。
しかし、余事象を使えば計算の手間を減らせます!
少なくとも男子1人の余事象はその正反対の
男子が0人=「2人とも女子!」


10人から2人を選ぶ全体の数は45通りです。
この45通りは、以下の3つから成っています。
- 男0人、女2人 (余事象)
- 男1人、女1人 (少なくとも)
- 男2人、女0人 (少なくとも)
全体=(女2人) +(男1人女1人) +(男2人女0人)
余事象(女2人)を左に移行して整えると、
(男・女1人) +(男2人女0人)=全体−(女2人)
そのため、全体から余事象を引けば少なくとも男1人が求まります!
選んだ2人が2人とも女子の組み合わせは
女子4人($n$)から2人($r$)を選ぶので、${}_4 C_2$
${}_4 C_2$ = $\frac{{}_4 P_2}{2!}$ = $\frac{4×3}{2×1}$ = 6通り
この余事象を全体から引きます。
全体(45通り) −余事象(女2人) = 求める場合の数
45通り−6通り = 39通り!
よって、少なくとも1人が男子の通りは39通り

「少なくとも」を見たら正面突破せずに余事象を使おう!
頂点の選び方

上図の正五角形の頂点を結んでできる三角形はいくつあるか。

先に結論から言うとこの問題は必ず$C$で解きます!順列では絶対に無理です!
例えば、頂点A, C, Dの3つを選んで三角形を作ります。

ACDを順番を考えて一列に並べます。
ACD, ADC, CAD, CDAなど…
しかし、順番を変えても同じ三角形で一切変化しません。つまり、順番を考慮しても意味がありません。
そのため、このような頂点を選んで三角形を作る問題は$C$の出番です!
ABC, ABD, CBA, ECBだろうが三角形はできます。

とにかく頂点を3つ選べばいいことになります!
5つの頂点から3つを選ぶので、${}_5 C_3$
${}_5 C_3$ = $\frac{{}_5 P_3}{3!}$ = $\frac{5×4×3}{3×2×1}$ = 10通り
(解答終了)
類似問題もこちらの記事で解説しています!
赤玉、白玉の選び方

赤玉6個、白玉4個入った袋から3個玉を同時に取り出す時、次の問題に答えよ。
- 赤玉2個と白玉1個
- 赤玉だけ

問題文に「取り出すとき」と書かれています。ただ選ぶだけなので$C$を使おう!
①赤玉2個と白玉1個

取り出した玉3個のうち、2個は赤玉、1個は白玉の場合の数を求めます!
- 赤玉は全体6個から2個を取るので、${}_6 C_2$
- 白玉は全体4個から1個を取るので、${}_4 C_1$
これらは同時に起こるので積の法則より、
${}_6 C_2$×${}_4 C_1$=$\frac{{}_6 P_2}{2!}$×$\frac{{}_4 P_1}{1!}$ = $\frac{6×5}{2×1}$×$\frac{4}{1}$ = 60
赤玉2個、白玉1個の選び方は、60通り。
(解答終了)
- 積の法則: ある2つ以上の事柄が同時に起きる時の場合の数は、かけ算せよ!
②赤玉だけ

取り出した3つの玉全てが赤玉の場合だね!
全部で6個ある赤玉から3つを取るので${}_6 C_3$
${}_6 C_3$ = $\frac{{}_6 P_3}{3!}$ = $\frac{6×5×4}{3×2×1}$ = 20通り
(解答終了)
最後に: 組み合わせまとめ
いかがだったでしょうか?
本記事を読んだあなたは、順列の記事も読むことで組み合わせとの使い分けもマスターしよう!
こちらの記事では順列と組み合わせの違いを徹底解説しています!
本日のまとめを書いておきます。
- 組み合わせ: 並べない順列。ただ選ぶだけ!
- 順番を考慮しない問題で使う
- コンビネーション$C$を使って計算
- 組み合わせ=順列÷階乗
- 公式${}_n C_r$ = $\frac{{}_n P_r}{r!}$
- 4つの計算テクニックを暗記しよう!
- 順番を変えて意味が変わらない時は$C$
PCで開くと組み合わせ=順列$P$÷階乗$!$
公式${}_n C_r$ = $\frac{{}_n P_r}{r!}$と表示され意味不明です。
コメントありがとうございます。
ご指摘頂いた点以外にも、コマンドの入力ミスを確認し修正しました。
お詫び申し上げます。