どうも!文系数学のダイです!


公式$(n−1)!の意味がわからん!なんで1で引くの?なんで階乗(!)?

円順列の問題になるとさっぱり分からない!解き方のコツやパターンを知りたい!
今日はこのような疑問にお答えしていきます!

これから紹介する2つのポイントを押さえれば、円順列の公式の仕組みから問題の解き方まで理解できるよ!
- ある特定の1種類の並べ方を固定
- 固定した以外のもので通常の順列P

1つ1つ具体的に見ていくよ!
目次
円順列とは

定義やイメージ
異なる人やものを円形に並べる並べ方やその総数のこと。
- 英語: circular permutation
- 読み方: サーキュラー・パーミュテーション
これまで学んできた順列は、横一列に並べてその並べ方を求めました。

しかし、円順列では
- 横一列に並べた後、
- 円形に並べます!


円卓の会議テーブルをイメージしてみよう!
「社員6人が円卓テーブルに座る座り方」
「円卓で〇〇部長の隣に、〇〇課長が座る座り方」
円順列では、このような並び方を求めます。

なるほど!円順列では、横一列ではなく円状に並ぶ方法を考えるのか!

そうなんだ!だから、問題文に「円形で並ぶ」とかがあれば円順列と考えよう!
以下のキーワードがあれば円順列を疑おう!
- 円卓(のテーブル)に座る
- 円形に座る・並べる
- 円状に座る・並べる
- ある○人が手を繋いで輪を作る方法
- 通常の順列P=順番よく横一列に並べる!
- 円順列=順番よく円形に並べる!
円順列は異なるものを並べる!
円順列は基本的にA,B,C,Dのような1つ1つが異なるものを並べます。
A,A,B,Cのような同じものを含む円順列はこちらで解説しています!
円順列の考え方: 2つのポイント
- ある特定の1種類の並び方を固定
- 固定した以外のもので通常の順列P
例えば、A,B,C,Dの4人が円卓に座る座り方。

この円順列を求める場合、まずA,B,C,Dのどれか1つの並び方を固定します!

ここではAを固定します!

円順列では、回転して並べ方が一致するものは同じものを考えます。問題で、回転する並べ方を考えるのは難しいです。そのため、ある1つの並び方を固定して、固定したもの以外の並べ方を考えます!
固定した後は、固定したもの以外の順列を考えます。

つまり、残り3つの円にB,C,Eの3人全員が順番よく並ぶので$3!$通り。
$3!$=3×2 = 6通り!

樹形図を見ても6通りあるのが分かります!
- 回転して並び方が一致する円順列は同じと考えるので、ある1つを並び方を固定する
- 固定したもの以外の順列を考える

この2つの考え方は、公式の中にも含まれているんだ!詳しく見ていくよ!
公式の証明
異なる$n$個のものを円形に並べる円順列は、$(n−1)!$通り。

なんで1を引くんですか?階乗を使う理由も知りたいです!
なぜ1を引く?

言ってしまえば、ある1種類を固定するから!
先ほどの4人が円卓に座る座り方。
先にAの並び方を固定して、残りのB,C,Dの順列を考えました。

並び方は全部で6通りでしたが、$(n−1)!$を使えば一瞬で求められます!
異なる4人$n$の円順列なので、
$(4−1)!$=$3!$=6通り!
固定したA以外の順列を考えるので、
1を引く=固定したAの並び方を外す
つまり、残りB,C,Dの3人の順列です!

例えば、5人の円順列でも1人を固定すると、残り4人の並び方だよね!$(n−1)!$を使えば、$(5−1)!$=$4!$通りだね!

なるほど!1を引く理由は、固定したものの順列を考えないからですね!
階乗を使う理由

スバリ!固定したもの以外を順番よく並べるから!
異なる$n$個全てのものを一列に並べる並べ方。
- ビックリマーク$!$を使って表す。
- 英語では、factorial(ファクトリアル)という。
公式$(n−1)!$を2つに分けてみると
- $(n−1)$ = 固定したもの以外
- $!$ = 固定したもの以外全ての並べ方
となります。
先ほどのA,B,C,Dの円順列では、
固定したA以外のB,C,Dの3つ全ての並べ方を求めたので階乗を使いました!

固定したもの以外の全ての並び方を考えるから!
計算の仕方
その数字から1までかけろ!
- 注意: 0の階乗$0!$は必ず1になる

さらに詳しい計算のコツや階乗の仕組みはこちらから!
数珠順列との違い・見分け方
円順列と数珠順列の違いは、場合の数の数え方です。
異なる$n$個のものを円形に並べる円順列のうち、回転または裏返して一致するものを同じとみなす並べ方。
- 英語で、necklace(ネックレス) permutation
例えば、4つの玉A,A,B,Cで腕輪の作り方。

これは円順列では3通りの並べ方があります。

ここで1と2の円順列に注目してみよう!
円順列1と2は、1を点線に沿って裏返すと2になります。

円順列では、これを違うものと区別します。
しかし、数珠順列では、反転して並び方が一致するものは区別せずに同じものと考えます!

だから、円順列1と2は2つで1つのセットとして数えるんだ!

4つの玉A,A,B,Cで腕輪の作り方の
- 円順列=3通り
- 数珠順列=2通り!
このように、裏返して並び方が一致するような左右非対称の円順列を数珠順列では、同じと考え、2つで1つとして数える。
数珠順列はこちらで徹底解説しています!
大学入試に出るその他順列6選
受験数学には、条件付き順列の他に6つの種類の順列があります。
順番を考慮して一列に並べるという点は共通していますが、それぞれ違った特徴・公式があります。

それぞれの関連記事も読んで受験に出る全ての順列を理解しよう!
✔︎大学入試必須の順列一覧
- 重複順列: 異なるものを繰り返し使って並べる順列。
- 同じものを含む順列: 同じものを並べる順列。
- 条件付き順列
問題文で与えられた条件に従って並べる順列
- 隣り合う・隣り合わない順列
ある特定の人や物を「隣り合う」「隣り合わない」の条件の下で並べる順列。
- じゅず順列
円順列の内、反転して一致するもの。
- 条件付き・同じものを含むじゅず順列
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最後に、円順列の入試問題を解いてみよう!数学が苦手な人でも理解できるように噛み砕いて解説するよ!
円順列: 入試厳選問4選

円順列の入試定番問題4選だ!公式の使い方もしっかり確認していこう!
円卓の座り方

7人が円卓に座って食事をするとき、座り方は何通りあるか。

公式$(n−1)!$を使えば楽チンだね!
7人のうち、ある1人を固定します。
固定した人以外の残り6人の並び方なので、
$(7−1)!$= 6! = 6×5×4×3×2×1 = 720通り!
(解答終了)

階乗の計算は、その数字から1まで掛け合わせるでしたね!
男女の円順列

男子3人、女子3人が円状に並ぶとき、次の並び方の場合の数を求めよ。
- 6人が円状に並ぶ並び方
- 男女が交互に並ぶ並び方
①6人が円状に並び並び方

どれか1つを固定→固定した以外の残り全員の並べ方だね!
まず、男1人(誰でもOK!)を固定します。

固定した後は、固定した以外5人(男、男、女、女、女)の並び方なので、$(6−1)!$ = $5!$通り。
$5!$ = 5×4×3×2×1 = 120通り!
(解答終了)
②男女が交互に並ぶ並び方

「男女が交互に並ぶ」という条件のある円順列だね!
「男女が交互に並ぶ」は、
男子同士・女子同士が隣り合わないと同じ!
なので、「隣り合わない」条件で並び方を考えます!
男女が交互に並ぶには、
- 男子を先に並べてその内1人を固定
- 男子の隙間に女子を並べる
それでは、先に男子を並べます!

円順列だから、並べた後に先頭の男子1人を固定しよう!

固定された以外の男子2人の並べ方は$2!$通りです。
後は、男子の隙間3つ$n$に女子が3人入るので$3!$

男子の隙間に女子が入れば、男子同士・女子同士が隣り合わないから、男女が交互に座れるよね!
最後に、求めた全ての値を積の法則でまとめて、
男女が交互=固定した以外の男子の並べ方×隙間に女子
=$2!$×$3!$=2×1×3×2×1 = 12通り!
(解答終了)
本問題のような条件のある円順列はこちらの記事でも解説しています!
特定の人が隣り合う円順列

父、母の2人と子供4人が円形に座るとき、両親は隣り合う座り方はいくつあるか。

「隣り合う」の条件のある円順列はどうすればいいの!?

隣り合う順列は、隣り合うもの同士を1つのグループにしよう!
隣り合うもの同士を1つのグループにする!

両親を1つのグループにして、固定すると全体5人$n$の円順列です!
$(n−1)!$ = $(5−1)!$ = $4!$
両親の並べ方も考えます。
父、母2人の並べ方なので$2!$通り。

求めた全ての値を積の法則でまとめます!
両親が隣り合う=5人の円順列×両親の並べ方
=$4!$×$2!$
= 4×3×2×1×2×1 = 48通り!
(解答終了)
隣り合う・合わない円順列は、こちらでも解説しています!
円順列の応用: 立方体の色塗り

立方体の6つの面を6色全てを使って塗り分けるとき、何通りあるか。

正確には、円ではありませんが、円順列の「固定」の考え方が応用できる問題です!

解き方の2つのステップを押さえよう!
- 底面の色を固定して、上面の色の通りを考える
- 側面は、上面、側面の色を固定した円順列考える!
ステップ1: 底面の色を固定し上面の色を決める!

まず、6色のうち底面の色を一色固定し、上面の色を考えます。
上面の色は、底面の色以外の5つの色が選べるので5通り!
ここでは、黄色を選択します。
ステップ2: 側面の色を円順列で解く!

上面と底面の色の次は、側面の色です!

このような色の塗り分け問題では、側面は上面と底面を固定した円順列と考えるんだ!
上面と底面を固定すると、側面は回転することで全ての色を見ることができます。回転して色が決められるので、円順列と考えます。
残っている4色$n$の円順列なので、
$(n−1)!$ = $(4−1)!$ = $3!$ = 6通り!
求めた全ての値を積の法則で、
6面の色塗り= 上面(底面の色固定後)×側面の円順列
=5×6=30通り!
(解答終了)
図形の塗り分け問題は、こちらの記事で分かりやすく解説しています!
最後に: 円順列まとめ
いかがだったでしょうか?
本記事を通して、円順列のイメージやポイントが分かったと思います!
この記事を読んだあなたは、円順列の応用問題も確認して理解しましょう!
前述した大学入試に出るその他の順列6選も読めば、入試に出る全ての順列を押さえられます!
本日のまとめです。
- 円順列:異なる$n$個のものを円形に並べる並べ方。
- 円順列の2つのポイント
- ある1種類を固定する
- 固定したもの以外で通常の順列P
- 公式: $(n−1)!$通り
- 1を引く理由は、1つを固定するから!
- 階乗の理由: 固定した以外のもの全ての並べ方を考えるから!

円順列って何?数珠順列や他の順列と何が違うの?