こんにちは!文系受験数学のダイです!


塗り分け問題の解き方のコツを知りたい!

よし!じゃあ、この記事だけで「塗り分け問題」の全てを網羅しよう!
円/数珠順列の応用も「塗り分け問題」は、入試頻出の重要項目の1つです。
図形によって解き方が変わるため、パターン別の解き方を覚える必要があります。

本記事で推奨するそれぞれの図形にあった解き方を覚えよう!
目次
3分で分かる円順列の解き方


円順列の基礎が大丈夫な人は、こちらから塗り分け問題の解き方に飛べるよ。
異なるものを円形に並べる並べ方やその総数のこと。
円順列の公式: $(n−1)!$通り。
- 英語: circular permutation
- 読み方: サーキュラー・パーミュテーション
- ある特定の一種類の並び方を固定
- 固定した以外のもので通常の順列P
1種類のものを固定する
例えば、社員3人(A, B, C)が円卓のテーブルに座って会議をします。


社員3人の座り方が何通りあるか考える時に、1人の社員(A)を固定して、時計回りに配列を考えるんだ!

固定した後は、固定した以外のものの並び方を考えます!
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つまり、ここでは社員B, Cの2人の並び方です!
円順列では、回転して並び方が一致するものは同じものと考えます。

だから、重複して数えないように、1つを固定して残りの並べ方を考えるんだ!

確かに、下の円1をAを基準にして、右回転すると円2になりますね!

固定した以外社員A以外の順列なので、
- 3人の円順列 = 残り2人の並び方
=(3−1)! = $2!$ = 2通り!
(解答終了)
円順列はこちらの記事でさらに詳しく解説しています!
①正四面体の塗り分け
- 底面の色を1つに固定!
- 側面の塗り分けは円順列$(n−1)!$

正四面体の各面を異なる4色全てを使って塗り分けるとき、その塗り方は何通りあるか。ただし、回転させて一致する塗り方は同じとみなす。

図形の色の塗り方も、円順列の「固定」の考えを応用して解けるんだ!底面の色→側面の色の順番で解こう!
ステップ1: 底面の色を固定する
正四面体は、下のように正三角形の4面で構成されています。
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ここでは、底面の色を緑に固定します。

固定する色は緑の1通りです。
底面は4色から1つを選ぶ=4通りとはできない!
1色(=1通り)に固定することで、残りの側面の配色に帰着するので重複せずに数えられる。円順列の固定と同じ考え!

正四面体は、全てが合同な正三角形から成っているので、底面は1色(=1通り)にしか固定できない!
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ステップ2: 側面の色は円順列!

固定した底面以外の残り3つの側面の配色を考えていきます!
例えば、側面の各面をA,B,Cをします。
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それぞれの面は、違う色を塗って区別します。

これは、1つを固定して異なるものを円形に並べる円順列と同じ考えなんだ!
上のように、側面の3面が円形に並ぶイメージです。

問題文では、「回転して一致する配色は同じ」とある。円順列$(n−1)!$を使えば、その条件を満たしながら塗り分けの総数が求められる!
底面以外の3色の円順列なので、
$(3−1)!$ = $2!$ = 2通り
(解答終了)
②正五角錐の塗り分け
- 底面の色を固定!
- 側面の塗り分けは円順列$(n−1)!$

正五角錐の各面を異なる6色全てを使って塗り分けるとき、何通りあるか。
ステップ1: 底面の色を固定!

底面の色は6色のうち1色を選ぶので、6通り。
ここでは、緑を固定します。
ステップ2: 側面の色は円順列!

側面は、残り5色全てを使って塗り分けます。
円順列を使って、$(5−1)!$=$4!$=24通り
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求めた値を積の法則で、
正五角錐の塗り分けは、
=底面の色の選び方×側面の円順列
=6通り×24通り=144通り
(解答終了)
③正三角柱の塗り分け
- 底面と上面の色を固定!
- 側面の塗り分けは円順列$(n−1)!$

正三角柱の各面を異なる5色全てを使って塗り分けるとき、何通りあるか。
ステップ1: 底/上面の色を固定!


まずは底面の色ですね!5色から1つを並ぶので、5通りですね!


底面の後は、上面の色だ!底面で使った緑以外の4色が使えるので、4通りだね!
- 底面の色=5通り
- 上面の色=4通り
ステップ2: 側面の色は円順列!

最後に、側面3つの配色を決めよう!

側面3つの塗り分けなので、
$(3−1)!$=2!=2通り
求めた値を積の法則で、
正三角柱の塗り分けの通りは、
=上面の色×下面の色×側面の色
=5通り×4通り×2通り=40通り
……
とすると間違いです!

なぜなら、正三角柱の上面と底面の色が同色なので、立方体を裏返すと同じ配色になるからです。
「円順列を裏返して並び方が一致するものは同じ」は、数珠順列です!

そのため、円順列で求めた2通りを2で割ります!
正三角柱の塗り分けの通りは、
=上面の色×下面の色×側面の数珠順列
=5通り×4通り×$\frac{2通り}{2}$=20通り
(解答終了)
④立方体の塗り分け(6色)
- 底面の色を固定して、上面の色を決める。
- 側面の塗り分けは円順列$(n−1)!$

立方体の6つの面を6色全てを使って塗り分けるとき、何通りあるか。

これも、円順列の「固定」の考え方が応用できます!
ステップ1: 底/上面の色を固定!

立方体の展開図ですね!


まずは、底面の色を1つ固定しよう!
すると、上面の色は、底面の色以外の5色が選べるので5通り!
ここでは、黄色を選択します。
ステップ2: 側面の色を円順列!

次は、側面の色です!

立方体では、側面は上面と底面を固定した円順列と考えるんだ!
上面と底面を固定すると、側面は回転することで全ての色を見ることができます。回転して色が決められるので、円順列です。
残っている4色$n$の円順列なので、
$(n−1)!$ = $(4−1)!$ = $3!$ = 6通り
求めた全ての値を積の法則で、
6面の色塗り= 上面の配色×側面の円順列
=5×6=30通り!
(解答終了)
⑤難: 立方体の塗り分け(5色)

上のような立方体の各面に異なる5色を使って塗り分ける方法はいくつあるか。ただし、隣り合う面の色は異なるものとする。また、立方体を回転させて一致する塗り方は同じとする。

6面を5色で塗る場合は、数珠順列の考え方を使おう!その理由は後に解説するよ!
- 上面と底面の色を1色に固定!
- 側面の色は円順列!
ステップ1: 底/上面の色を固定!
問題文に「隣り合う面の色は異なる」という条件があるため。
6面を異なる5色で塗り分けるので、ある2面は色が被る。

でも、隣り合う面の色は異なるから、隣り合わない上面と底面を同じ色にする!

5色のうちから1つを並ぶので、5通り(${}_5 C_1$)。
ステップ2: 側面の色は円順列!

上面と底面を1色に固定したので、隣り合う側面を全て異なる4色で塗り分けられますね!

側面は、残った4色全てを使うので、
$(4−1)!$=3!=6通り
- 側面の1つの面の色を決めて固定。
- 次の面も同様に使った色以外を選んで固定。
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面4→面3→面2→面1の順番で色を決定。
- 面4: 色を固定=1通り
- 面3: 上/底面, 面4以外の色=3通り
- 面2: 上/底面, 面4,3以外の色=2通り
- 面1: 残った色=1通り
1通り×3通り×2通り×1通り=6通り
求めた値を積の法則で、
5色の塗り分けの方法は、
=底面と上面の配色×側面の円順列
=5通り×6通り=30通り
……
とすると、間違いです!
なぜなら、上面と底面の色が同色なので、立方体を裏返すと同じ配色になるからです。
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「円順列を裏返して並び方が一致するものは同じ」は、数珠順列です!

そのため、円順列で求めた6通りを2で割ります!
立方体の色の塗り方
=上面/底面の塗り方×側面の数珠順列
=5通り×$\frac{6}{2}$=15通り
(解答終了)
最後に: 色塗り問題まとめ
いかがだったでしょうか?
円順列・数珠順列の応用問題の中には、同じものを含む円順列や数珠順列もあります。
こちらの記事で、入試問題の解き方を徹底解説しています!
本日のまとめはこちらです!
- 正四面体の解き方
- 底面の色を1つに固定!
- 側面の塗り分けは円順列$(n−1)!$
- 正五角錐の解き方
- 底面の色を固定!
- 側面の塗り分けは円順列$(n−1)!$
- 正三角柱の解き方
- 底面と上面の色を固定!
- 側面の塗り分けは円順列$(n−1)!$
- 立方体(6色)の解き方
- 底面の色を固定して、上面の色を決める。
- 側面の塗り分けは円順列$(n−1)!$
- 立方体(5色)の色塗り問題
- 上面と底面の色を1色に固定!
- 側面の色は円順列!

色の塗り分け問題って、なんで円順列や数珠順列を使うの?